Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

ゴルトベルク変奏曲

2012-04-12 21:16:54 | 音楽
J.S.バッハのゴルトベルク変奏曲はずうっと取り組んでいていつか納得できるようになりたい、と弾くたび決意する偉大な作品だ。手元にある楽譜は3種類。最初に使っていたのはヘンレ版、そしてしばらくしてべーレンライター版が出たのでそちらに乗り換え現在使っている。そして、今、独奏用のものと並行して見ているのは「2台ピアノ用」。これがとても興味深い譜面で出版社はCarus、編曲者はReinberger/ラインベルガーという作品だ。
これは確かにゴルトベルクがどこかで鳴っているのだが、全然別の曲のように感じる。言い換えると素材は同じだがテイストは違うとでも言えば当たらずとも遠からず、か。
いい、悪いという事ではなく別の作品なのだ。
しばらく練習していて、この感じは・・・と思っていて何年か前に初めて合唱の伴奏でラインベルガーのミサ曲に出会ったことを思い出した。その美しさ、甘くなり過ぎないロマンチックさ、うっとりするハーモニーの感じ、に思い当たって一気にああ、なるほど、と納得した。素敵な作品なのだ。
こういう作品に出会えた喜ば、そしてこういう風に広がるバッハの宇宙をまた一つ知った幸せを噛み締める。
      

ところでゴルトベルク変奏曲とは全く関係ないことだが、最近楽譜を見ていて気になるのが、明らかな音の間違い、音符の誤植といったらよいのだろうか、の増加。特に伴奏譜でそう感ずる。明らかにこれは違っているだろう!!という音がばたばた見つかると、練習していてほんと気持ちが萎える。記憶の中の音との違いに「えっ!?」となりあわてて、手元にある別の楽譜と照らし合わせて見ることが多くなった。ひどいのになると、コードネームが付いていてそのコードと違う音が付けられていたりする。いや、コードネームが違っているかも、と一応は思うんだけれど、でもやっぱり音或いは調号が違っていることが殆どだ。学生時代に使っていた譜面の方が正しい時があって、なにこれ?!と新しい版に吃驚させられたり・・・。そういう音が一つでも見つかると、全ての音に懐疑的になって一つの曲をあるだけの楽譜を出してこっち見たりあっち見たりして音を出すことになる。正しい楽譜を、誤植のない楽譜を作ってくれぃ~!!
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2 コメント

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びっくりしました (浦島太郎)
2012-04-13 02:09:34
音楽が好きでも素人の横好きにすぎない私にはびっくりする話でした。 尤も、私も竜宮城から帰ってみると旧い知人が誰も生き残っていないので暇つぶしに詩吟を始めましたら、びっくり。 テキストを開くと、「月落ち烏鳴いて・・・」とあって、驚きました。 ”鳴いて”とは、”鳴きて”をイ音便にしたもの、つまり口語体ですよね。 口語体の漢詩は、老人にはきついです。
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浦島太郎さま、 (rubicone)
2012-04-13 23:59:52
コメントありがとうございました。
口語体の漢詩ですか!!なんだか不思議な感じがします。
日本歌曲の譜面を見ていると、歌詞が全て平仮名で(音符に合わせる関係で)記されているので、ぱっとそれだけ見ていると区切り方とか意味とか「?」と思うことがあります。
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