豪州落人日記 (桝田礼三ブログ) : Down Under Nomad

1945年生れ。下北に12年→東京に15年→京都に1年→下北に5年→十和田に25年→シドニーに5年→ケアンズに15年…

タケシへのメール

2023-11-02 22:04:44 | 医療・福祉

112日(木)快晴

(一)人間は長生きすれば誰でも最後には癌で死ぬ。80歳は大往生ではないかもしれないが、男子としては長生きの部類に入る。川崎医大の主治医は明言しないけれど、パパの癌は末期の胆管癌で、余命は3か月というところだ。主治医も指導教授も「抗癌剤で叩いて小さくして、年内に総胆管を上(肝臓左葉)から下(すい臓頭部)まで一気に摘出」という治療方針らしい。

しかし消化管の手術の中では、食道摘出、肝臓左葉摘出、すい臓頭部摘出の3つは極めて困難な手術だ。例えば肝臓左葉摘出単独の手術は周囲のリンパ節の郭清まで含めると、大量輸血をしながらの5時間を超える大仕事になるだろう。他方のすい頭部摘出の手術も同様で、パパの年齢を考慮すると手術の成功率は50%くらいだろうと推定する。一気に両方を摘出となると、半日に及ぶ手術で、生還率は25%かな?年を跨いで1臓器ずつ摘出となると、逆に危険と困難が増す。どの手術方針でも寝たきりになる確率は100%に近い。気管切開をして人工呼吸器を装着されたり、胃ろうや中心静脈栄養などで生かされる可能性も強い。

 

(二)PHP出版から小野寺時夫の「人生終末を医者任せにするのはやめなさい」という本が出ている。キンドル版もある。この本は50年以上前にパパが「白樺」という月間同人誌を主宰している時に、彼が応募してきたものだ。当時は「尊厳死」と呼ばないで「安楽死」と呼んでいた。2人で討論・加筆・修正を重ね、白樺社から初版本を発刊した。真面目な彼はその後も、5年ごとくらいに新しいデータや知見を加えて他社から再版を重ねてきた。

僕と彼は基本的立場が異なる。彼はクリスチャンだが、僕は17歳で棄教してその後は無宗教だ。また彼は宗教的なスピリチュアルを容認しているが、僕は反スピだ。しかし最新版を読んで70%の内容は同意できた。

やさしく書かれた本なので、タケシにも通読して欲しい。

それでは、岡山で会おう。

2023・11・01          パパより

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