非国民通信

ノーモア・コイズミ

総統は相当お喜びかと

2022-05-08 22:16:13 | 編集雑記・小ネタ

「ヒトラーにユダヤ人の血」外相発言 プーチン氏、イスラエルに謝罪(朝日新聞)

 ロシアのプーチン大統領とイスラエルのベネット首相は5日、電話協議した。両国はユダヤ人を大虐殺(ホロコースト)したナチス・ドイツの独裁者ヒトラーに「ユダヤ人の血が流れていた」というロシア外相の発言をめぐり対立していたが、イスラエル首相府によると「プーチン大統領が外相の発言について謝罪した」という。

 ロシアのラブロフ外相の発言を巡っては、イスラエルのラピド外相が「ユダヤ人に対する最低レベルの人種差別」などと激しく非難。イスラエル国内世論も強く反発していた。

 イスラエル首相府によると、ベネット首相は謝罪を受け入れ、「プーチン氏がユダヤ人やホロコーストの記憶に対して態度を明らかにしたことに感謝を示した」。5日はイスラエルの独立記念日で、プーチン氏は祝いの言葉を述べた。

 

 先日の話の続きとなりますが、「プーチン大統領が外相の発言について謝罪した」とイスラエルが発表しています。まぁ軍事侵攻への非難が全て自国に跳ね返ってくるであろうイスラエルは概ね中立を維持しており、ロシア側としても今のタイミングで敵を増やしたくもなかったのでしょう。ウクライナがヒトラー・ムソリーニ・昭和天皇の顔写真を並べて日本から抗議されたときと同じで(参考)、誤っているわけではないが謝っておく、そういう政治判断だと言えます。

 しかしヒトラーがユダヤ人であったとして、それが「最低レベルの人種差別」に当たるというイスラエルの独自の世界観は面白いですね。イスラエルという国家ならではの人種(ユダヤ人であるかないか)への偏執ぶりが伝わってきます。一方、欧米諸国と日本からも「ヒトラーはユダヤ人ではない」と連呼している人が少なからずいるようです。ユダヤ系であることを免罪符みなさないラブロフ外相発言の本筋から外れた議論ですが、まぁ知性よりも政治的な立ち位置を重要視する人にはふさわしい振る舞いでしょうか。

 元より「ユダヤ人」の定義なんて時と場合により都合良く使い分けられるものですし、海を隔てたわけでもない同じ国の中で1000年以上も暮らしているヨーロッパ人で、先祖にユダヤ人がいない人など存在するはずもありません。だからこそユダヤ人差別は滑稽なのですが、しかるに欧米諸国と日本では「ヒトラーはユダヤ人ではない」と著名人も無名のネット世論も断言しています。これを一番喜んでいるのは、他ならぬヒトラー自身でしょうね。「その通り、君たちは正しい」と、ヒトラーなら答えてくれることと思います。

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