生物の行動アルゴリズムで最も興味深いのが『動機の保存』ですね。(唐突に)あるシステムに帰属する個々の振舞いはその時々でランダムに装いながら、様々な事柄を「跨いで」、しっかりと「予定」を実行、あるいは裏切ったり。(たとえば会社に行く→デートする→会社に戻る→家庭に戻る(爆))ここら辺はセルラオートマトンを用いたモデルで対照比較してみると面白そう。。
まぁ、「考える」だけで何かが「解る」のなら誰も苦労しないって話で…。
http://knob.sourceforge.jp/
二階堂氏のバイオインフォマティクスプロジェクトであるKNOB (Knoppix for Bio)がリリースされました。KnoppixをベースにしたCD Bootable Linuxツールで、WindowsやLinuxといった環境に影響を与えないのが売りです。今までCygwinなどでLinux環境を実現していた人は、コンパイルの手間が大幅に省けます。更にembossから、GenBankなどの膨大なインターネットのデータベースに接続可能。SSH、VNC Serverを利用して複数人が同時に運用できるという、専門外の私から見ても画期的だとわかるもの。
収録ツールは
BioRuby 0.6.5
BioPerl 1.4.0
EMBOSS 2.10.0
R 2.0.1 + Bioconductor 1.5
G-language
といった、主に配列解析、系統解析、発現解析を扱う為の基礎が揃っています。
□ 量子情報科学:実験による一方向量子計算
Experimental one-way quantum computing.(Nature)
P. Walther, K. J. Resch, T. Rudolph, E. Schenck, H. Weinfurter, V. Vedral, M. Aspelmeyer & A. Zeilinger
量子コンピュータのアルゴリズムは、これまでは単一量子の論理ゲートに基づいたものが一般的でしたが、この実験では縺れた状態の量子ビット、ここでは四つの光子を用いる不可逆な計算アルゴリズムが利用可能だと実証されました。量子力学や、量子そのものに対する認識を大きく変える発見だそうです。そういえば、工学の分野でも量子ゼノ効果(『観察』することで、量子の状態を静止させる)なんて現象が利用されはじめたり、この領域では日々パラダイムの更改が起こっているような気がしますね。
□ 音楽的心像:無音は大脳聴覚野を活性化する
Musical imagery: Sound of silence activates auditory cortex
David J. M. Kraemer, C. Neil Macrae, Adam E. Green & William M. Kelley
頭の中で電話番号を復唱したり、音楽を思い浮かべるときの聴覚神経への刺激の有無を磁気共鳴イメージで比較したところ、無音の場合は、聴覚神経の活動が視覚神経と似た原理に従うそうことがわかったそうです。うーん、ってことは共感覚の由来も、より原理的なニューラルネットワークの振舞いに還元できるのかな?
・情報の剽窃 -ある薬品を巡る話。
ガンの治療薬として開発が進められているものに、「アンチセンス薬」というものがありますね。これは異常なDNAとの反応を無視する相補的な遺伝子コードを配合した医薬品で、最近は日本でもアンジェスMGがその後継医療薬の研究開発で株価を上げたりしていますが、実際にはこの技術の発展過程で辛酸をなめた企業や研究機関も少なくありません。昨年には仏アヴェンティスが米ジェンタとライセンスした「ジェナセンス」の効果について否定し、提携を打ちきるという出来事も未だに記憶に新しいです。実はこの薬品、開発段階で幾度と無くその効用を臨床実験で否定されてきた経緯があります。
このアンチセンス薬の開発の黎明期、ある創薬系ベンチャー企業が薬品開発の半ばで、臨床試験等の認可を受けられず、プロジェクトを頓挫させてしまいました。その最たる要因の一つが、参考資料に利用した各大学の論文、研究機関のレポートにあった「誤り」です。酷いものには、化学法則の基本まで全く無視したものが紛れこんでいたそうです。研究者たる者、実際に自らが実験、解明したもの以外は信じてはならない、という美徳もありますが、現実には、この高度に細分化してしまった現代科学においては、如何に他の情報ソースを流用出来るかに、特許レースの明暗を分ける要素が含まれています。そこに『惑わし』がどのようにして潜んでしまうのか。でも実は、それは現場においても同じなのです。考古学者、生態学者等々、フィールドワークという現場主義に重点を置くべき理由がハッキリしているものに比べ、情報化の著しい影響を受ける研究領域では、研究成果そのものの信頼性による整理、ランク付けの基準を取り入れた新しいリテラシーと、その為のインフラの整備が急務ではないでしょうか。これから本流となるRNA医薬には更なる危険性が付き纏います。。。私自身は興味本位でフェノームの勉強を進めていましたが、この分野の情報過多ぶりに狼狽しました(笑)
□ Tunes of the Day.
♪Hector Zazou / Etrangers Attracteurs
アルバム"L'Absence"から。Nicola HitchcockやCaroline Lavelleも参加。
11曲目"The Workers"のセリフは、マルクスの『共産党宣言』のブルジョワ経済分析から引用したもの。
♪The Thrillseekers / Dreaming of You (Tranquilo's Ambient Mix)
これもなんとなく気分で。
私は音楽を作ったり絵を描けるわけでも、まして一次情報の取得に長けているわけでもなく、ならこのBlogの価値は?と問われたら困ってしまいますが、多くのネット上のコンテンツがそうであるように、見る人に何らかのインプレッションを与えられれば、それだけで私自身が情報を得るモチベーションも良い方向で維持しつづけられるのではないかなーという、ある意味自分本位な動機のもとで戯れている感じです。またサイト、ブログというのは、それが情報の剽窃であっても、それぞれがブリッジであれば良いと思うのです。とにかく御覧になってくれている方、ありがとうございます。m(_ _)m
まぁ、「考える」だけで何かが「解る」のなら誰も苦労しないって話で…。
http://knob.sourceforge.jp/
二階堂氏のバイオインフォマティクスプロジェクトであるKNOB (Knoppix for Bio)がリリースされました。KnoppixをベースにしたCD Bootable Linuxツールで、WindowsやLinuxといった環境に影響を与えないのが売りです。今までCygwinなどでLinux環境を実現していた人は、コンパイルの手間が大幅に省けます。更にembossから、GenBankなどの膨大なインターネットのデータベースに接続可能。SSH、VNC Serverを利用して複数人が同時に運用できるという、専門外の私から見ても画期的だとわかるもの。
収録ツールは
BioRuby 0.6.5
BioPerl 1.4.0
EMBOSS 2.10.0
R 2.0.1 + Bioconductor 1.5
G-language
といった、主に配列解析、系統解析、発現解析を扱う為の基礎が揃っています。
□ 量子情報科学:実験による一方向量子計算
Experimental one-way quantum computing.(Nature)
P. Walther, K. J. Resch, T. Rudolph, E. Schenck, H. Weinfurter, V. Vedral, M. Aspelmeyer & A. Zeilinger
量子コンピュータのアルゴリズムは、これまでは単一量子の論理ゲートに基づいたものが一般的でしたが、この実験では縺れた状態の量子ビット、ここでは四つの光子を用いる不可逆な計算アルゴリズムが利用可能だと実証されました。量子力学や、量子そのものに対する認識を大きく変える発見だそうです。そういえば、工学の分野でも量子ゼノ効果(『観察』することで、量子の状態を静止させる)なんて現象が利用されはじめたり、この領域では日々パラダイムの更改が起こっているような気がしますね。
□ 音楽的心像:無音は大脳聴覚野を活性化する
Musical imagery: Sound of silence activates auditory cortex
David J. M. Kraemer, C. Neil Macrae, Adam E. Green & William M. Kelley
頭の中で電話番号を復唱したり、音楽を思い浮かべるときの聴覚神経への刺激の有無を磁気共鳴イメージで比較したところ、無音の場合は、聴覚神経の活動が視覚神経と似た原理に従うそうことがわかったそうです。うーん、ってことは共感覚の由来も、より原理的なニューラルネットワークの振舞いに還元できるのかな?
・情報の剽窃 -ある薬品を巡る話。
ガンの治療薬として開発が進められているものに、「アンチセンス薬」というものがありますね。これは異常なDNAとの反応を無視する相補的な遺伝子コードを配合した医薬品で、最近は日本でもアンジェスMGがその後継医療薬の研究開発で株価を上げたりしていますが、実際にはこの技術の発展過程で辛酸をなめた企業や研究機関も少なくありません。昨年には仏アヴェンティスが米ジェンタとライセンスした「ジェナセンス」の効果について否定し、提携を打ちきるという出来事も未だに記憶に新しいです。実はこの薬品、開発段階で幾度と無くその効用を臨床実験で否定されてきた経緯があります。
このアンチセンス薬の開発の黎明期、ある創薬系ベンチャー企業が薬品開発の半ばで、臨床試験等の認可を受けられず、プロジェクトを頓挫させてしまいました。その最たる要因の一つが、参考資料に利用した各大学の論文、研究機関のレポートにあった「誤り」です。酷いものには、化学法則の基本まで全く無視したものが紛れこんでいたそうです。研究者たる者、実際に自らが実験、解明したもの以外は信じてはならない、という美徳もありますが、現実には、この高度に細分化してしまった現代科学においては、如何に他の情報ソースを流用出来るかに、特許レースの明暗を分ける要素が含まれています。そこに『惑わし』がどのようにして潜んでしまうのか。でも実は、それは現場においても同じなのです。考古学者、生態学者等々、フィールドワークという現場主義に重点を置くべき理由がハッキリしているものに比べ、情報化の著しい影響を受ける研究領域では、研究成果そのものの信頼性による整理、ランク付けの基準を取り入れた新しいリテラシーと、その為のインフラの整備が急務ではないでしょうか。これから本流となるRNA医薬には更なる危険性が付き纏います。。。私自身は興味本位でフェノームの勉強を進めていましたが、この分野の情報過多ぶりに狼狽しました(笑)
□ Tunes of the Day.
♪Hector Zazou / Etrangers Attracteurs
アルバム"L'Absence"から。Nicola HitchcockやCaroline Lavelleも参加。
11曲目"The Workers"のセリフは、マルクスの『共産党宣言』のブルジョワ経済分析から引用したもの。
♪The Thrillseekers / Dreaming of You (Tranquilo's Ambient Mix)
これもなんとなく気分で。
私は音楽を作ったり絵を描けるわけでも、まして一次情報の取得に長けているわけでもなく、ならこのBlogの価値は?と問われたら困ってしまいますが、多くのネット上のコンテンツがそうであるように、見る人に何らかのインプレッションを与えられれば、それだけで私自身が情報を得るモチベーションも良い方向で維持しつづけられるのではないかなーという、ある意味自分本位な動機のもとで戯れている感じです。またサイト、ブログというのは、それが情報の剽窃であっても、それぞれがブリッジであれば良いと思うのです。とにかく御覧になってくれている方、ありがとうございます。m(_ _)m
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