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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Enya / "Amarantine"

2005-11-24 00:44:05 | music
── I can hear you calling, and my name,
is in the rain,leaves on trees whispering,
deep blue sea's mysteries.
-Enya"it's in the rain"

□ Enya / "Amarantine"

12221

Water shows the hidden heart



Release Date;23/11/2005
Label;Warner
Cat No.;WPCR-12221
Format:1CD

1.Less Than A Pearl
2.Amarantine
3.It's In The Rain
4.If I Could Be Where You Are
5.The River Sings
6.Long Long Journey
7.Sumiregusa
8.Somebody Said Goodbye
9.A Moment Lost
10.Drifting
11.Amid The Falling Snow
12.Water Shows The Hidden Heart


今回のエンヤの音楽は『-less』(~が無い)音楽です。
同じメロディ・ラインを幾度となく歌い重ねる
ソニック・アーキテクト(オーバーダビング)によって
強く確かな存在となる歌声と、必要最低限の
インストゥルメントは、純粋で愛に満ちた
彼女の精神世界から何の混じり気もなく、
真っ直ぐに私達の心に響き、揺るがします。
そこには技術的な「こなし」もなく、
時流に阿った過剰な装飾も、それに伴われる
感情の欺瞞もない。まるで魂がありのままに
音の欠片を纏って花開くように「そこにある」。
既にそのように存在するものに対しては、
どんなレトリックを用いようが不粋にしかならないし、
存在そのものに干渉することすら叶わない。
幻想的だけど、揺るぎ無い質量を持つ音。そんな印象。

というわけで、簡単に言うと素朴で深みのある作風ですね。
ヴァラエティに富んでいた前作とは対極にあります。
また、ローマ・ライアンが、enyaの声質や
サウンドに馴染むように考案した造言語"Loxian"
で唄われている曲もあります。
"The River Sings"では4分ビートが登場して
どうなることかと思いましたがw(結局輪舞曲でした)
全体的には"China Roses"や"Marble Halls"などの
曲調を拡大展開したような感じで、落ちついた
雰囲気はあるものの、彩りはより鮮やか。
とりわけ"Sumiregusa"の豊かで荘厳な展開は決して
"Pax Deorum"や"Athair Ar Neamh"のインパクトに
引けを取るものではない。ただ、今作には荒涼とした
寂謬感が足りないのが逆に寂しいかも。


ps."Amarantine"には奇しくも『永遠の菫』という
意味も含まれているのですが、ライナーを読む限り、
特に意識した様子は無さそうですね。