lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

二重のコード

2005-05-03 23:39:00 | Science

『キャストパズル』、いわゆる知恵の輪として知られるもの。
二部以上の構成要素からなる立体構造の縺れを利用した、非可換性のパズルですが、解けるように設計されているため、幾何分析上その『環』は初めから開かれている、と言ってもいいでしょう。

現代の素粒子物理学は「標準理論(標準模型)」というセントラル・ドグマに縛られています。物質の構成要素を細かくパラメータ毎に規定・分類し、その固有の振舞いから森羅万象を生成する包括原理を導こうというものですが、実験が弾き出す理論の綻び、アンチ・ルール、アノマリー(Anomaly)が重要な観察課題になっているのが現状です。というのは、こういった予測不可能性を補完することで理論の精度を高められるという期待があるからで、実際に新たな粒子の存在が予言されて超対称性理論が展開される過渡期に入りましたが、超弦理論しかり、こういう世界観の背後には、説明可能であることが真実であるという、歴史の中で自然科学が繰り返し陥ってきた命題、そしてまやかしが潜んでいます。

問題の一つに、「人間原理」と表現される呪縛があります。それは、自然界の成すあらゆる対称性が、あたかも観察者の為に物理定数や法則を調整しているように見えてしまうことで、今ではこの分野における思考停止を揶揄する言葉にもなっています。しかし、「名伏は力なり」の科学において、この問題は全ての方法論が根本的に孕んでいるある矛盾を象徴的に示しています。

クォーク、ゲージ粒子(グルーオン)、これらは現在までに人間が観察できる最小の物質境界ですが、「人間にはそう見える」という前提を設ける必要がある。認識を組みたてるアーキテクチャは、エネルギー準位の差異とタイムスケールの発生、離在要素を統合するパースペクティブetcetc...様々な書法で設けることが可能だけど、各々の言語領域においては、指し示す言葉がお互いの領域で微妙に重なり合い、または共存するセグメントとして規定されることになります。「A理論」で一つの事象に対して絶対的な説明を付与できたとしても、その事象から解体されたフラグメントが外部のセグメントに縺れ、均衡を成す。つまり単位集合から成るセグメント全てをバラバラに解体することは出来ない。これはあくまで認識の上でのことだけど、物質を組み替えていく私達の振舞いが、認識レベルの階層下にあることも忘れてはならない。コードとして動いてる私達が、世界をコード化することに論理的な後退を孕んでいるのです。

「知恵の輪としての世界」が開かれたものであるのか、閉じたものであるのか、またはもっと複雑な階層構造を持つのかは知り得ないけど、時間という区切りの中で音の塊、光の波が構造の中で飛躍して構成する芸術の数々、そして人間として情念や記憶の側面を知る限り、ある位置からある位置へと向う過渡期の中で反映される「原初と最期」の等価性を私達は生きていると思える。"As if to Nothing"(何もなかったことと同じ)の裏返しは、「全ては起こるべくして起こった」です。

ということで・・・昨日買ってきた知恵の輪がほどけないよー!ヽ(`Д´)ノ ウワァァン

□ Tunes of the Day

carla20werner

□ Oakenfold feat.Carla Werner

♪ Southern Sun (Solarstones Afterhours Mix)

Paul Oakenfoldの説明は省きます。ヴォーカルのCarla Wernerは
ロックシンガーで、2003年にアルバム「Departure」を発表。
どこかビョークを髣髴とさせますが、もっと可憐です。
Solarstone独自の宇宙的で冷たいアンビエントリミックス。

RedPlanet□ Graeme Revell / "Red Planet"

♪ Mars Red Planet
           ♪ The Fifth Heaven

インダストリアルバンドのカルト的存在、SPKの片割れで元精神療法士。
あのBill Leebに多大な影響を及ぼしたスコアコンポーザー、
グレアム・レヴェルが手掛けたサウンドトラックの中でも
最も人気の高い作品。ヴォーカルのEmma Shapplinとは
この作品の後にアルバム、"Etterna"を共作しています。プログラミングは、
タンジェリン・ドリームにも在籍していた鬼才Paul Haslingerが担当。

映画の方はコケ気味だったけど、音楽と映像には魅せられた方も多いでしょう。
イントロとエンディングは音楽の為のPVみたいになってましたから(笑)
日本でも、自動車のCMとして一時注目を集めた時期もありましたね。
重厚なグルーヴと神聖な雰囲気の共存が何とも言えず。。

:: Coming Soon!

>> Shpongle / "Nothing Lasts"‥‥ 2005/05/25 Release!