lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

死の中の生命

2005-04-24 13:56:47 | Science
Space


それが人間の力の届く範囲にあるということ、
人間の目に見えないほど遠くにはないということ
──この二つは、その人間に降りかかろうとしている
出来事が持ち合わせる主な要素だった。
自分自身に降りかかることは“イベント”だ。
予知は、理解することではない。
もし逆だったなら、人間の内側に潜んでいる予知能力は
もっと数多く表面に出てくるはずだ。


本というのは、あれは内側へ入る扉だ。
したがって外へ出る扉でもある

                -G・マクドナルド『リリス』
子守唄を指す"ララバイ"という言葉には、
ヘブライ語で「リリスよ去れ!」という意味が込められているそうです。
リリスは、神がイヴを創る前にアダムの前妻とした天使。
彼女はその悪性を以って天国から追放され、アダムへの執着から
イヴとその子孫である人間を呪い、虐げる存在となります。
加えて「眠り」の特異性についてマクドナルドは、
ノヴァーリスを引用してこう結んでいます。

"わたしたちの生命は夢ではない。しかしそれはやがて、
 いやおうもなく、夢と一つになるだろう。"


□ lens,align.

そろそろこのブログの試験運用も、機が熟したところで(?)
先の展望を見据えようかなーっと思ったけどどうしようかな。。w
実は本格的に天体観測でもはじめてみたいなーと計画中。
以前付き合っていた人からの影響もあり(某ALMA計画にちょこっと関係)
仕事柄、望遠鏡のカタログに目を通す機会も多いので。。。
ノートPCで制御してデジカメアダプターに繋いで・・・とやりたい
ところですが、インフラにかけるコストと時間を見て考えたいです。
音楽関係のネタは引継ぎたいですが、ブログである必要がない以上
ここは心の想い出のアルバムにそっと綴じて、また水面下に潜るかも。。


□ 独り言

ここのところ出張、営業先で紹介されることが多いのですが、
若い人に年齢を言うとたまに空気が変わります。。w
年上に見えないんだとか。゜(゜^ヮ^゜)゜。アハハハハ
たった一、ニ年も違わないでしょうに。。


□ In the end. ──循環による帰結。

透き通るような蒼空や海、燃える夕日と紫光のディスパージョン、無限遠に煌く幾億の星々・・・。現在メディアに遍在するこれらの映像情報は、その場に実在を置かずして、人間にそのイメージを喚起させる仮想の扉です。人は光から、音から、その五感とそれ以外の感覚を励起する術を持っているから。暗室のスクリーンに飛び交う光子に感触を感じ、空気の揺れに光を感じる。メディアが媒介する感覚情報は、ある定点からの視覚と関係性を共有させる。わたしたちが見ている世界が、その真性において同じ様相を示しているわけではありません。カメラがシャッターを切る瞬間、撮影者には被写体が見えなくなるように。音楽も同じ。内面と表象との狭間には距離があるのかもしれない。映像も音像も、一定のアルゴリズムを経て、あるいは交えながら、その表象を結ぶ。認識の要はタイムスケールとその区切り方にあります。また、時間は"リーディング"の産物であるとして、あらゆる瞬間が等距離で収束する場所を規定できる。このモデルでは、森羅万象の刹那刹那を生成する機構が縁取られ、中心に像を結びます。その振舞いにはまた別次元のタイムスケールを適用して観察することが可能です。つまり時間とは、俯瞰と干渉行為の際に主観者と対象との間に働く対称性の反射であって、エネルギーの差異によって全体性の中に局在性が築く境界であると考えます。

装置としての世界。いわゆる人のインテリジェンスというものは「する」ために拡充する世界を実現しているように見えます。水道設備、交通機関、社会システム、武闘・・・・。そしてメディアによってダイバージェンスされる映像、音像。しかしトートロジーに陥ることを恐れずにフラクタルの概念から見降ろすと、現象は等しく実現されるのだから、理由が先にあるわけではない。つまり水がそのように流れ、化石燃料が燃えて鉄を運び、タンパク質の塊が秩序を形成したり破壊したりを繰り返す。時間や確率が人間の意志決定に影響を及ぼしているわけではない。(確率自体が、結果論を斜めに切って中身を覗いたものでしかないから)近年の脳研究においても、因と果、表象世界と行為の狭間として、脳という機構が自己生成されるのだ、という概念が新しく提唱されはじめています。
『人は夢を見、また希う。神は考え、意図し、促す』(G・マクドナルド)とありますが、私は人の意識というものが『計算』である以上(S・ウルフラム ※数学者・革命的なカリキュレーションソフト"Mathematica"の開発者)、意識と感じる意識こそ、宇宙、というよりはフレームとしての世界の性質の鏡像だと考えています。そこは漠然としか感じられないのだけど。人は世界を語る術について、新たな語彙を、認識素子を組み替えていけるのでしょうか。あるいはそれは私たちの役目ではないのかも。。

最後に、数学的、物理学的に解析される世界について。現代の宇宙論は観測結果と理論物理との帳尻を合わせながら成り立っていますが、そこには罠があります。わたしたちは未だ、物性の境界領域全土を理解しているわけではないということ。極小の物質単位は様々な相を見せるし、ビッグバン時に破壊された対称性によって、もはや認識できなくなってしまった相が深く生成過程に関わっているかもしれない。このような逆算不可能性を孕んでいないとは証明しようがなく、その外部で相互作用しているかもしれない"Other"を知覚できないから。こういう不確実性に、宗教、擬似科学といったあらゆる惑わしがつけ込む隙があります。
クレマン・ロセは言う『存在の逆は無ではない。写しである。』認識の全ては自己の鏡像。しかし人が知りうる絶対的な真実というものを拓くことが実現出来るとすれば、それは鏡の扉の向こう側を覗うということか。そこには底知れぬ深淵がただ口を広げているだけなのかもしれない。一巡して、私達はかく考える存在となる。知らないということが、考えることを規定する。環を閉ざそう。考えさせられている私達は、考える存在だと。そしてあらゆる選択と実現されなかった世界は、お互いに支え合う存在であったと、私は希う。

彼女の貌が明るく輝いているのは
死期が近いせいかもしれない。──大きくて黒い瞳だった。
あらゆる星が黒みのなかにあって煌いていた。
いっぽう地平線には、永遠の黄昏が螺旋の暈を形作っていた。彼女の目は、
きっと神自身の中から直接射し出てくるものに違いない。

生きた目は、途切れのない創造だった。
散文的ではありましたが、これで一先ず、
ここで続けてきた"表象と認識"に関わるお話は
終わりにしたいと思う。これから機会があれば、
もう少し地に足のついたこと(免疫学、標準理論etc...)で
自らの関心事について書けたらいいな。


□ Tunes of the Day

1557

□ Lunik / "Weather"

♪ The Most Beautiful Song(Orchestral)

:: Lunik Online

Delerium"Chimera"の"After All"でフィーチャーされている
Jaelが所属するスイスのバンド、Lunikの3rdアルバムから。
盤によってはこの曲が収録されていないものもあるので注意。
前作まではトリップホップめいたこともやっていましたが、
今はポップバンドとしてのスタンスを確立したようです。

lunareflect

□ Lunascape / "Reflecting Seyelence"

♪ Tears From The Moon

:: Official >> Lunascape

こちらも説明不要かと思われるベルギーのユニット、Lunascape。
この曲はRhys FulberがDelerium"Chimera"に提供するべく
シニード・オコナーを招いてカヴァーしていましたが、
途中でConjure Oneのアルバムに転用されることになりました。
近日発売されるシニードのカヴァーアルバムにも収録されています。


□ Coderoy

Born Again
Sweetest Dreams (Nell's Amazon Night Mix)

:: Official >> Corderoy

トランスシーンにあって、アンビエント、ニューエイジ色を
強く発しているデュオ。Sweetest Dreams(Nell's Amazon Night Mix)は
ネット上で人気を博したブートレグ・リミックス。
公式にFerry Corstenがリミックスした方は蒼穹を疾走するような
爽快感に溢れていて、どちらも真夏に野外で聴きたい作品。


:: Coming Soon!!

□ Pole Folder / "Zero Gold"

↑微妙に延期にしているのが気になります。ちゃんと届くかな。。
Shelly HarlandやKirsty Hawkshawをフィーチャーしたダウンビート。

"Pole Folder 'Zero Gold' straddles the line between a cinematic soundscape and the heady exploration of the sonic atmosphere. The melancholic lyrics are sung beautifully throughout by guest" [i:Vibes]