ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

船上の仕事人

2010年12月07日 | 魚の話

Photo 吾輩はタニシである。
毎日狭い水槽の中を漂っている。
人間たちは、吾輩を優雅な生活だと云っているがこれで色々と気遣いもあるのだ。
吾輩はメダカくんたちの水槽に居候している身分だから、なるべくは隅っこのほうで気配を消して人間に気づかれないように心がけている。
先日、吾輩の気配に気づかないご主人が妙な話をしていた。
必殺仕事人が船に乗って暗躍しているというのだ。
その仕事人は、山形の船に乗り船上で釣り上げたサワラの脳天に針を刺して神経を抜くという華麗な技を使うと云う。
その時は、「シャキーン」という効果音が鳴るとか鳴らないとか。
脳天を刺されたサワラは自分が殺られたという自覚がない。
するとサワラは鮮度が保たれたまま出荷されるのだ。
どうやら、吾輩のご主人もこの闇の世界に繋がっているのか、その船上神経抜きサワラを仕入れて来た。
ご主人は、ニタッと笑ってサワラに包丁を入れる。
切り身にされたサワラはクアトロで西京漬けにされてしまった。
吾輩は、この闇の仕事人たちの仕業を見なかったことにしようと思う。
いつものように、水槽の中をプカリプカリ散歩しよう。

コメント
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