ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

告発のとき

2010年12月10日 | 食材の話

Photo イタリア・サンダニエレ産プロシュートがクアトロに到着した。
そのプロシュートはまず脂がよく乗った内ももの部分をおろす。
ややピンクがかった脂をはずすとマグロの大トロのように脂の差しが入った部分が出てくる。
薄くそぐようにクアトロの父が包丁を入れる。
おろしたてのプロシュートの脂の美味しさは格別だ。
脂という認識よりも、よく熟した果実を口に含む印象を受ける。
さらに、ナッツのような風味が鼻を抜けていく。
プロシュートの脂をはずして食べる人もいるが、これは言語道断と云わざるを得ない。
そして、柑橘系の風味を持った白ワインでこのプロシュートの余韻を楽しむ。
ここに、大人の時間があるのだ。

あたしは、タニシよ。
タニシは雌雄同体だから、いつも吾輩ではないの。
あたしは、クアトロのプロシュートに関する裏稼業を告発するわ。
あのサンダニエルのプロシュートの余分な脂身は、秘かにミートソースの仕込みに回されているのよ。
ミートソースの旨味はこのプロシュートの脂身のためだったの。
Photo_2 そして、骨の近くの赤身の生ハムは、クアトロ・シェフによって丹念にはぎ取られて、・・・ああだめ思い出すだけで恐ろしくなるわ。
いいわ、勇気を出して続ける。
その骨の近くの赤身の生ハムは「生ハムときのこのクリームソース/タリアテッレ」に使われているの。
赤身の部分の生ハムは肉本来の旨味が豊富で、クリームソースに旨味が移りパスタに絡めて食べればとっても美味しいのよ。
ただ、骨のところだけは闇から闇へと葬られてしまう。
おろしたてのプロシュートの輝きの裏には、別の闇の世界があるのよ。
それを仕切っているのが・・・。

コメント (1)
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