大乗仏教の教科書「大般涅槃経」によると、五味として順に乳→酪→生酥→熟酥→醍醐と精製され、醍醐こそが一番美味しいものであるという。涅槃経も同じく最後で最上の教えであるとたとえて書かれている。これを五味相生の譬(ごみそうしょうのたとえ)という。
「牛より乳を出し、乳より酪(らく)を出し、酪より熟酥(じゅくそ salpis サルピス:カルピスの語源)を出し、熟酥より醍醐を出す、仏の教えもまた同じく、仏より十二部経を出し、十二部経より修多羅(しゅたら)を出し、修多羅より方等経を出し、方等経より般若波羅密を出し、般若波羅密より大涅槃経を出す」
この醍醐はチーズのことを指すと思われる。チーズは仏の最高の教えに例えたいほどに尊く美味しいものなのだ。
クアトロ新着チーズ「サン・マルスラン・アフィネ」の醍醐味はお釈迦様も納得である。熟成が進み、表皮の内側はトローリとカスタードクリームのようになめらかである。専用の陶器に収まったサン・マルスランの表皮を外して、中身をスプーンですくっていただく。
その美味しさに出会うと思わずその陶器を「チーン」と叩いてお祈りをしたくなるほどである。
残念ながら本日は先着一名様だけがこの醍醐味に出会える。
※本日の醍醐(チーズ)
カレ・ド・ロレーヌ(白カビ)、パヴァリアブルー(白カビに覆われた青カビ)、カブラレス(青カビ)、ミモレット熟成(セミハード)などなど