クリスマスの夜、高級レストランを予約する。料理は予め決まっている。若干選択する部分もあるがさほどの問題ではない。しかしポマードで固めた七三分けのソムリエとのやりとりが憂鬱である。
料理の価格に合わせ予算内で好みのワインを選ぶことが出来た。ソムリエさんの解説から話の種も拾えた。
さあ、やっと飲めるぞ。
ワインが運ばれてくる。
「こちらのワインでよろしかったでしょうか」
難しい名前ではあったが、どうやら注文したものに間違いなさそうだ。
「はい、それです、早く飲ませてください」
「こちらのワインは抜栓してから、少し置いた方が美味しいですよ」
（ええ、まだおあずけだって）
ここで、あわててはいけない。そういうワインもあるのだ。
「そうですね、シャンパンで乾杯してから、そちらをいただきましょう」
ソムリエは、してやったりとニコニコとすることでしょう。
自分の主張が受け入れられ売上が増えたのです。
ソムリエの顔も立てておくと良いこともあるものなのです。
CM－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
※本日のワインと楽しみたいチーズ
ゴルゴンゾーラ・ピカンテ（青カビ）
ロックフォール・パピオン（青カビ）
モンドール（ウォッシュ）
エクスプロラトゥール（白カビ）
ゴーダ・ミレニアム（ハード）
ボスケット（ブルビ）
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シャンパンでの乾杯も終わり、いよいよ抜栓しておいたワインの登場である。
さて飲むぞ。
「それではお味見をお願いします」
（えー、まだ飲めないのか）
まあ、こうなったら急がずにワインのテイスティングも楽しんでみよう。
（つづく）
