ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

歓迎 モンドール様

2008年10月03日 | チーズの話

S 今朝の豊四季は、実に気持ちの良い秋晴れであった。思わず深呼吸をしたくなるような空気が満ちている。誰もが和やかになりそうな朝なのだが、クアトロの父はそわそわとしている。あのモンドール様が今朝クアトロに到着する予定なのだ。モンドール様はチーズの女王様である。気むずかしモンドール様を迎えるクアトロの父には、今朝の天気はとても和めるものでは無かった。
モンドール様は毎年この時期にやってくる。フランスとスイスにまたがるジュラ山脈にある黄金の山とよばれるところで、8月15日から翌年の3月15日までしか作られないチーズである。その第一便のモンドール様がクアトロにやって来るのだ。
黄金の山でモンドール様は毎日丹念に塩水で洗われて、エセピアという樅の木の一種の樹皮に包まれて育つ。アルプスの香りを身にまとい、とろけるクリーミーな味わいはチーズの女王の名にふさわしい。
「モンドール様のおなりです」
おお、モンドール様がペリカン便でやってきました。
「これはこれは、モンドール様ようこそクアトロへ」
平身低頭のクアトロの父である。

コメント
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