ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

カルボナーラ

2006年09月03日 | パスタの話

Photo_38 月が変わったとたんに秋っぽくなった。今日も日差しは強いが、風は秋の優しさがある。お客様の注文の内容も急に変わった。このところ、カルボナーラがよく出る。暑いさかりは、さっぱりだったのに、少し涼しくなると濃厚な味を求めるのだろうか。
昔、僕はカルボナーラが苦手だった。変にタマゴ臭いのがいやだった。結構そういう人は多いと思う。今思うと原因はベーコンだったと思う。日本の普通のカルボナーラは、薫製したベーコンを使う。これがタマゴを臭くする原因。薫製させずに、自然熟成させる生ベーコンで作るとこうはならない。もちろん、クアトロは生ベーコン=パンチェッタを使っている。
イタリアの食の歴史の本によると、イタリアは厚い岩盤に薄い土の層があり、樹木の生育に適していないため、森林は貴重なもの。貴重な森林を消費して、薫製したり、森を切り開いて牛を多く飼ったりする文化は育たなかった。薫製は、森の国ドイツの文化になる。 カルボナーラとは炭焼き風という意味だが、木にぶら下げ、地中海の乾燥した空気で自然熟成させたパンチェッタとタマゴと山羊のミルクと羊のチーズで作ったものが、本来の炭焼き風になる。その辺の文化や風土を理解しないで、形だけをまねてドイツのベーコンでカルボナーラを作ったからおいしくないカルボナーラが出来たらしい。

コメント (1)
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