最近どの地域でも茅葺き民家は激減しているが、ここ琵琶湖を挟む近江地域の古い集落には、琵琶湖岸に豊富に群生する葦(ヨシ、アシ)を利用した民家が色濃く残されて居る。
東近江市から鈴鹿山系越えで三重県桑名方面に伸びる八風街道(現国道421号線)沿い、三重県との境を分ける石榑峠を目前にした滋賀県最東端の杠葉尾集落に残る茅葺き(葦葺き)民家。
杠葉尾は東近江市中心街より約40分も愛知川沿いの国道421号線を遡った辺境の山里集落・・・・、覆懸屋がその殆どを占める様に成ったとは言え、懐かしい景観をよく今に残す集落です。
杠葉尾集落の最南端、国道から見渡せる位置に洒落たログハウス風の建物と、この茅葺き民家が並び建つのが見え隠れする。
国道からでは直接近づけず、在所道をくねくね歩いてお邪魔する。
ちょうど奥さんが庭の手入れをしていて、それとお願いして撮影させて戴いた。
下屋は改造補修で相当手が加えられているが、現役バリバリの葦葺き入母屋造り・・・・
まだまだ元気な中年夫婦とその子供たちが住まいしてるようで、家の周りも整理整頓が行き届き心地よい・・・・こちら裏側斜面よりのワンショット。
妻破風には「前垂れ」と呼ばれる割り竹で造った飾りが備えられ、近江地方独特の味を保って居る。
琵琶湖より遥か離れた山里でも、葦葺き屋根に「前垂れ」の近江風茅葺き民家です。
因みに 杠葉尾集落の「杠葉」とは、正月飾りにも用いられる吉兆植物の「ユズリハ」・・・・、もしかして付近の山に多く自生してるのかも??
撮影2013.6.23