名張市下比奈知「永福寺」に残る数多くの石仏のうち、僕の好みで選んだ石仏さん達。
高野山真言宗永福寺は名張市中心より東へ約2kmばかし、山を削って造った大住宅団地を越え、ガラリと風景を変えた昔ながらの景観の中にある。
後何度かの再興後、江戸中期の正徳二年(1712)に至り往僧誘致により中興されたという古刹だと言う・・・・。
ここを訪れた四月の半ば、高台に有る境内脇の桜がちょうど散り初め、その下に桜花を受け止めるかの様に三基の石造物・・・。
勿論その中で目を惹くのがこの石仏さん。
高さ約1.5mばかしの舟形自然石を、写真のように石龕状に深く彫り下げ、中に像高1m強の定形地蔵菩薩立像を中肉彫りで刻み出す。
その姿は中世仏の様な力強さや優雅さは全く感じられない、形の崩れた江戸中期の物でしょうが、独特な存在感を放って居ました。
しかし躰部中心辺りに袈裟懸けの断裂が走り痛々しい。
撮影2012.4.15