奥津は伊勢本街道、奈良県境に近い三重県、旧美杉村に江戸時代から明治末まで宿場として栄え、今も懐かしいその面影を残し、町おこしの一環として、古い屋号のある家が玄関に工夫を凝らした暖簾を掛けている。
町の中央には、今は通わないJR名松線の終着駅「伊勢奥津駅」が有り・・・
赤錆た鉄路や遠い昔の給水塔に過ぎ去った過去へのノスタルジーを感ぜずには居られない。
JR名松線は2009年10月、台風18号で甚大な被害を受け、途中の「家城」から「伊勢奥津」間が不通、、現在も代行バスで凌いでいる。
一時は不通箇所の家城~伊勢奥津間の廃線も取沙汰されたが、何とか2016年度中には復旧開通予定に成っています。
<伊勢奥津駅を正面奥に見る道しるべ>
そんなことも相俟り、過疎化が進む往時の宿場も人通りは無く閑散としていますが・・・・、それだけに僕にとっては余計に心に染み入る処と成りました。
同じ場所より振り返る旧街道・・・・。
向かいには「ぬしや」と書かれたちょっと風変わりな建物の雑貨店・・・・・この建物具合はどうも旅籠っぽい。
伊勢本街道「ぬしや」の暖簾が見える。
見たところ出入り口にはカーテンが降ろされ、既に閉店状態・・・・。
「かぶとや」と染め抜かれた暖簾の掛かる民家・・・・
平入、正面の雨縁には懐かしい棧格子が残され・・周りは改装されても、どこかやっぱり旅籠風。
こちら大店風の重厚な家構え、脇門には「山中屋」の染め抜き文字・・・・どの旧家にも伊勢地方独特の「蘇民将来」と書かれた駒札を掲げた七五三縄を通年掲げ、この鄙びた山里も伊勢地方の一部だと言うことを教えてくれる。
山内醤油店の古い看板の残る民家、家紋を入れた暖簾が掛けられている。
暖簾だけで伊勢本街道時代の賑わいは戻らないだろうが・・・・、鄙びた宿場町の風情は倍増して味える。
それにしても名松線が不通になって約5年、いくら過疎地域だといっても未だに復旧もせずおよそ3年先の2016年中だとか????
撮影2010.3.28