昨日に引き続き、山添村春日、「不動院」に有る石造品から・・・・。
本堂前、向かって右手、植え込みを後ろに古式な宝筐印塔が健っています。
山添村文化財指定、総高139cm、文保元年(1317)の銘を持ち、奈良県下では五指に入る。
塔身三面には、金剛界三仏(宝生、阿弥陀、不空成就)の種子を月輪内に薬研彫り・・・
他の一面に蓮座に座する定形地蔵を中肉彫りで刻みだし特色が有る。
小型ではあるが古式の中に独特な個性を持つ辺境の宝筐印塔です。
方や、宝筐印塔に先立つこと四年、正和二年(1313)の銘を持つ五輪塔。
高さ190cmとさほど大型では有りませんが、鎌倉時代後期の典型的な様式を持ち、複弁反花座を設け、大和地方独特の美しさを見せている。
こんな草深い田舎寺にもこれだけの石造物が有る大和文化圏の奥深さを思い知らされる。
撮影2012.4.14