Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

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片頭痛・群発頭痛治療の新たな夜明け@Brain Nerve誌

2021年04月16日 | 脳血管障害
Brain Nerve誌4月号にて標題の特集を企画させていただきました.表紙は京都の三十三間堂の柳の葉です.三十三間堂は後白河上皇が自身の頭痛の平癒を祈って建立したとして知られています.毎年1月に行われる「楊枝(やなぎ)のお加持」は,聖樹とされる楊枝で観音に祈願した法水を参拝者に注ぐことで,特に頭痛に効くご利益があると伝えられています(写真右上).

片頭痛・群発頭痛の治療薬の大きな進歩は「トリプタン」によりもたらされましたが,それに匹敵する大きな変化が訪れています.CGRP関連抗体,ゲパントやディタン,さらに非侵襲的ニューロモデュレーション治療が臨床応用され,まさに新たな夜明けを迎えています.そして4月14日,抗CGRP抗体のエムガルティ®の薬価が発表され,4月21日に薬価収載,ついに保険診療で使えるようになります.薬価は120 mg/mL 1キット 4万5165円と高価な薬剤であり,作用機序,導入基準や使い分けなどの十分な理解が求められます.

これらを理解するための基本的知識,臨床試験のエビデンス,使用方法や本邦における見通しについて学ぶ機会にしたいと思い,以下にご紹介するエキスパートの先生方に執筆をお願いいたしました.まだ同様の企画はほとんどなく,脳神経内科医のみならず頭痛診療に関わる多くの医師や患者さんに読んでいただきたいと思います.
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①片頭痛のメカニズム――予兆とCGRP/CGRP受容体拮抗薬に関連して(粟木悦子,竹島多賀夫)
②ゲパントとディタン(古和久典)
③CGRP関連抗体の片頭痛治療への応用(柴田 護)
④片頭痛・群発頭痛治療における非侵襲的ニューロモデュレーション(團野大介)
⑤群発頭痛の新しい治療(今井 昇)

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