Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

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河井継之助と山本五十六のことばと教育の大切さ

2024年08月12日 | 医学と医療
夏休みを自宅のある新潟で過ごしました.長岡市にある河井継之助記念館と山本五十六記念館を訪ねました.河井継之助(1827-1868)は幕末の越後長岡藩の家老で,戊辰戦争では長岡藩を率いました.山本五十六(1884-1943)は太平洋戦争時の連合艦隊司令長官で,真珠湾攻撃をはじめとする多くの作戦を指揮しました.長岡市が生んだふたりの共通点は,最後まで戦争に反対しながらも,戦争の旗頭に立たざるを得なかったことかと思います.

今回,記念館を訪問して,さらに共通点に気づきました.それは教育です.継之助は藩校に通い,江戸や西国,長崎にも遊学して新しい価値観を身に着けましたし,五十六は海軍兵学校を卒業,アメリカへの留学経験を持ち,多くの外国を巡って国際的な視野を身につけました.これらの基盤があるからこそ,時代の変化を理解し,新しい方法を取り入れる姿勢を持てたのだと思います.そしてともに現代にも通用する箴言を残しています.それぞれのことばをまとめた2冊の本を読みました.そのなかから印象に残ったことばをご紹介します.

河井継之助のことば
◆何でもよい,一つ上手であればよいものだ.上手だければ,名人と謂はれる.是からは何か一つ覚えて居(お)らなければならぬ.→ 教室で私がいつも言っていることと一緒です.
◆眼を開け,耳を開かなければ,何事も行はれぬ.
◆学問というものは実行しなければ何の役にも立たないものである.
◆使ふものも使はるるものも,互に愉快に仕事を為(す)る.
◆人間はどんなに偉くとも,人情に通ぜず,血と涙がなくては駄目だ.

山本五十六のことば
やってみせ,言って聞かせて,させてみせ,ほめてやらねば,人は動かじ.話し合い,耳を傾け,承認し,任せてやらねば,人は育たず.やっている,姿を感謝で見守って,信頼せねば,人は実らず. → 教室のリーダーシップ講義で紹介してる言葉ですが,全文を知ってほしいです.
◆中才は肩書によって現はれ,大才は肩書を邪魔にし,小才は肩書を汚す.
◆人は誰でも負い目を持っている.それを克服しようとして進歩するものなのだ.
◆もらった恩は岩に刻め,与えた恩は水に流すべし.

ちなみに写真の「常在戦場(常に戦場に在り)」は長岡藩士にとっての精神規範で,ふたりとも「常在戦場」の書を残していました.この意味は,戦場の生活を予測し,平素から質素倹約をし,心身の鍛錬をして教養を向上させるというものです.幕末に長岡藩が苦難に陥った際,継之助とともに長岡維新三傑と呼ばれた小林虎三郎は,三根山藩から見舞いとして送られた米百俵を藩士らに分配せず,国漢学校設立資金の一部に充て,人材育成を呼びかけました(有名な「米百俵」の故事です).

数日前に科学論文が日本は過去最低の13位と朝日新聞の記事にありました.しかし日本人がダメになったのではなく,国家として教育が十分できていない結果なのだろうと思いました.パリオリンピックの日本人選手の大活躍を見ると,若いうちからしっかり教育をすれば世界に通用できることが示されているように思います.

河井継之助記念館(https://tsuginosuke.net/
山本五十六記念館(http://yamamoto-isoroku.com/



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