ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

それぞれの音楽

2014年05月15日 | レッスンメモ
ベートーヴェンもモーツァルトもショパンもシューマンも、その楽曲はいつも変わらぬ楽譜としてそのまま存在しているのだけれど、そこから奏でられる実際の音楽の何と色々にちがっていることでしょうか。まずは演奏者が違えば同じ曲でも全然違ってきます。これはコンクールで出場者の演奏を聴いていれば一目瞭然。それぞれの出場者が同じ課題曲を次から次へと弾いて行くのを聴き比べていると、本当に色々な弾き方(指導法も含め)、表現の仕方に接することができます。「へ~こんな風に弾くんだ!」と、こちらが思いもよらない演奏に出会って、驚いたりすることもあります。

また、自分自身の演奏についても、昔と今とでは色んな事が変化していて、同じ曲でも違うように弾いている場合がほとんどです。むしろ昔とまったく同じように弾くということなどないと言ってもいいくらいです。曲は同じでも長年の間深堀していくと理解の度合いが深まってきて解釈が変化したり、新しい発見があったりして、以前とは違うように弾くことが多くなります。「10年前はここがこんなに悲しいとこだって思わずに弾いてたわ!」とか。

これは弾く方ばかりではなくて、聴く方にも当てはまることだと思います。例えば同じ曲でも何度か聴いていると、ひどく感動するときと普通に聞き流すときがあったりします。また同じコンサート会場で一緒に同じ音楽を聴いていても、ものすごく感動して涙を流す人と、そうでない人がいたりします。こういうことがあるのはそれぞれの場合に、聴く人のそのときの心情が大きく反映するからだろうと思っています。私自身もそうですが、やはり聴く側の生きてきた歴史とかその音楽を聴く時の状況、気分など、その人のその時の心情が音楽とちょうどうまく反応する時とそうでない時とがあるのだと思います。

音楽は、弾き手と聴き手両方の人間の時々の心情に刺激を与えるというかちょっと突っつかれたりするものですね。そう言う意味で音楽というのはそれを演奏する人と、それを聴く人の心情がうまくマッチしたときに一番心地良く響き合うものなんだろうとな思います。

さて、いよいよ来週、5月22日(木)、午後7時から、ゆうあいビレッジ「愛野由美子ピアノコンサート」が開催されます。毎年恒例のこのコンサート、今年も張り切って演奏します。この会場ではいつも、演奏する私と聴いてくださるお客様やスタッフの皆さんとの間に、とても親密な空気が流れて独特の一体感の中で演奏することができるので、とても楽しみです!

クリックしていただけると嬉しいです。励みになります。
にほんブログ村 クラシックブログ ピアノ教室へにほんブログ村


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする