ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

ショパンコンクールその3 ダンスはうまく踊れない

2010年10月16日 | レッスンメモ
ショパンコンクールの第3ステージが進んでいます。パソコンのオンライン・ライブ画像のアクセス数も相当増えてきたのでしょうか、我が家のパソコンでは、ブチブチ画像と音が切れたりしてなかなかまともに観ることが出来にくくなってきました。そこで、コンクール会場で配布されている新聞を読んでみました。印象に残ったところをいくつかご紹介します。

①「第二ステージの参加者には、個性的なピアニストが多くて退屈しなかった」
前回のコンクールではかなり「アカデミック」な弾き方をするピアニストが多くて退屈だったそうです。それに比べて今年は色んな個性を発揮する弾き手がいるので退屈しないんですね。

②演奏者に対する寸評です。「超絶技巧のFei-Fei Dong、Ingolf Wunderの繊細さと詩情、Daniil Trifonovのナイーブな優しさ、それとは好対照をなすMarek Brachaの成熟したリリシズム(抒情性)」等々・・・。私の一押し、ブルガリアのEvgeni Bozhanovについては、「巧みにコントロールされた、しかも同時にとても自然に流れ出る音、あたかも19世紀の終わりから20世紀初頭にかけてのヴィルトーゾ・スタイルを想起させるような解釈」と評されています。

エフゲニー・ボザノフ(Evgeni Bozhanov, Bulgaria)

③最後に本場ポーランドならではの厳しい批評をご紹介します。「それぞれのピアニストの個性に関係なく、すべての参加者がダンス曲をきちんと仕上げることができていない。この若いピアニストたちはマズルカやオベレクのリズムをまるで分っていない。ワルツにいたってはさらにひどく、誰もきちんと弾けていない。最近は、みんなディスコやサルサしか踊らないのだろうか?(Does everyone only dance disco and salsa these days?)」

これは手厳しい評価ですね。マズルカは私もどうもなじめなくて、ほとんど弾くことはありません。どうしても「民謡」の要素が濃く感じられて、ポーランド人ならぬ私には、ちょっとなあ、と敬遠してしまうのです。

この中で唯一きちんとワルツを弾けたとしてお褒めにあずかっているのが、オーストリアのIngolf Wunderです。彼はワルツを実際に踊れるんだそうです。ダンス曲を弾くには実際に踊れるようにならなきゃいけない、ということなんでしょうか!?

ということで、確かに、前回よりも個性派が多くて面白いコンクールになっているようです。私が好きなピアニスト、ブルガリア出身のBozhanov さん、もう、しびれます。彼の演奏が審査員の耳にどう残るのかはわかりませんが、個性あふれるそして愛情を感じる弾き方で、その表現は心に深く残ります。たとえ優勝しなくても、彼の今後のピニストとしての活躍は間違いないと確信しています。私は、ファンとして、リサイタルがあったら是非駆けつけたいです。

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