前項で風水に触れたのでもう半歩くらい踏み込んでおきたい。
僕の知識、フィールドワークではまだまだ一歩とは言い難いので。
風水は迷信で人心を惑わしたとして文化大革命のとき羅盤は没収され、研究者は逮捕され処罰された。文化大革命は現在の中国でどのように受け留められているかわからないが、貴重な中国文化の一面が破壊されたことは言っておいてもいいのではないかと思う。
僕は泉州羅盤を持っている。渡邊教授から福建省調査のお土産として頂いたものだ。紅赤色の125㎜角の盤の金地の円の中にびっしりと墨の細い線や文字が書き込まれ、中央に磁石がついている。特段の風水研究資料ではなくまあ羅盤とはこんなものだという事がわかれば好い、と言う教授のコメントが印象深かったことを覚えている。
風水は迷信と思えば迷信、しかしこれを抜きにして中国、韓国、沖縄いや日本の文化の真髄を見誤るのではないかと僕は小さな声で言いたい。どうもこれはひっそり言ったほうがいいようだが、これ解らずして国交など出来得ないとも思うのだ。
沖縄には屏風(ヒンプン)が存在する。屋敷と正門の間に設けられた塀、すなわち「開かずの門」。とても好いなんとも想像力をかきたてる言い方ではないか。観光のガイドブックには目隠しとか、台風の風除けなどと記載されているし、住んでいる人もそういう言い方をする人が多いという。
だが中国に原点を持つこの屏風は、「制殺」殺気除けのためだという。
屏風は石組みだけでなく、竹垣、板垣だったり生垣つまり木々の植え込みだったりする。そしてコンクリート造の亀甲墓の前に設置される例もある。そこからもそれが推測される。
那覇の隣に屋部(やぶ)という村がある。研究者の間では格好の風水研究の対象のようだが、緑の濃い魅力的な村落だ。今回の旅で実証したのだが様々な屏風の様相を見た。
沖縄の観光施策では風水が封印されているというのは言いすぎだろうか。
重要文化財の中村家住宅は、建築大好き人間だけでなく、沖縄が大好きな人が訪れてその素晴らしさに魅せられるが、開かずの門、塀の前の滾々と水が湧き出る池、つまり水の流れのあることに気がついているだろうか。正しくこの住宅は風水原理に基づいて建てられているのだ。そこからも沖縄文化の底知れぬ魅力と震撼とする歴史の奥深さが見えてくる。
観光施策で風水に触れないのはわからないでもないが、僕たちはそれらの事象全てを含めて沖縄の存在を受け留めたい。
子供の頃、清家清ファンだった我が家では家を建てるとき狭い門から玄関までやはり、ずらして作りました。関西人ですから方違いまでしましてね。
家相には随分こだわりました。
うちを建てた棟梁も庭師の方もそれにはこだわってました。
ただ、現在ではなかなかそうは出来ないでしょうし、こだわらない方ばかりなので、いずれこの風習は廃れてゆくようですね。
沖縄のこうした様式も、過去のものに成り果てて行くのかしら…
素敵な写真を見てどきどきしました。
風水に関してはまだまだ門外漢ですが、それでも水の流れについては思うところがあります。菊竹先生も九州や島根の風土について語る際、触れられてましたし、現場を経験すると誰もが、「地中にも水の流れがある。」と意識するのではないでしょうか。良い悪いを抜きにして、現場では常に水との戦いでした。そして、地下躯体の工事が終わると、水の流れを変えたんだとも、実感します。
私自身は占ってもらったりはしないのですが小樽の近くに、霊能者の巫女の先生がいらっしゃってお話しはよく伺います。その先生も井戸と水の流れを大切にと強くおっしゃいます。それほど大切なものなのですね。
観光政策や建設の犠牲にしてはいけないものであることを、自分も強く思います。
昔々から家相では家のうちに井戸があるのは験が悪いと言いますし、水を停めてはいけない、『道を変えろ』ともよく聞きます。
わたしは実は公共工事関係の仕事をしていますので、現場さんから止水関係の話をよくうかがいます。
ウレタンシスイとか発砲充填剤とか▲▲プラグ、ULシスイセンなどなど・・・多条用シスイセンてのもありますが。それらは皆全て、止水のための物品なのですが、MH開けると必ずこれですわ。
しかもNさんは今年度中にBフレッツ開通を大幅に、とか業界に檄を飛ばしてますので、ますます地下工事が・・・その都度いかに止水するかでまたもめると思います。
水の問題は本当に難しいと思います。
街を歩くとどうも石敢当ブームのようで、おみやげ物やでも小さなものが沢山売られているし、本来形状の悪いとされるT地路でもないところにやたらに取り付けてあることがあります。信仰の対象でもないし、よくわからないが取り付けておこうということになるのでしょうか。
水の流れは風水にとってとても大切なようです。
南傾斜で前面に水の流れがあり、山の懐に抱かれるような土地、いかにも日当たりもよく住み心地の良い環境ですよね。そこに大切なお墓を築くのです。
土の中の水の流れも含めて自然の摂理を大事にする「環境共生」とか「サスティーナブル」にも通じる風水原理は、僕を魅了します。
現場に井戸があってどうしても閉鎖しなくてはいけない場合、空気抜きをつくって神主さんにお祈りをしてもらいますよね。今にも生きているのですね、そういうことが。
さてね。清家さんのこと、突如現実に引き戻される問題ですね。清家さんは家相の本など書きましたが、人はオールマイティではありませんから。
さて「よくわからないが」という一節が現代っぽくて良いですね。これより酒屋に行ってまいります。遊行さんのコメントも楽しみだったり、またTAROさんのサイトを覗きにいったりしようかなと考えていたり、落ち着いた年末を迎えられそうです。