日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

晴れ日和:車窓から見た人気(ひとけ)が感じ取れない建物の群れ

2017-03-29 17:17:40 | 建築・風景
日差しはそれなりに強い。とは言え、小田急線厚木駅のプラットホームから見る大山、その左手には真っ白な富士山の裾野の断片が光り輝いている。
その右手の背後に連なる山脈、おそらく蛭ケ岳などの丹沢山塊のチラホラと雪文様が宿る朝の光景が、昨日とは違って今朝はぼんやりとしている。

三月も末、晴天とは言えない茫漠とした空。
でもなぜか建物の影はしっかりとその地や隣接する建物に影を落とす。こういう光景も現れるのだと思いながら、がら空きの各駅停車新宿行きの座席に腰かけてニーチェの「愉しい学問」第3巻148番を開く。タイトルはこうだ。”宗教改革はどこで起こるか“
そしてこんな一文に思わずにやりとしてしまう。

‥…ドイツのキリスト教文化は、あたかも百重にも絢爛と花開こうとしていた。― わずかにあと一晩足りなかった。ちょうどその晩、嵐がやってきて、一切が終わってしまった…。

町田でロマンスカーに乗り換える。多摩川を通り過ぎると東京都。でも今朝の車窓から見る建物が埋れ込まれた初春の光景、人気(ひとけ)を感じ取れなくて異様な大平野を駆け抜けていくような錯覚(?)に襲われ、我、大丈夫かと思ったものだ。