日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

沖縄ん!(2)黒の筒茶碗

2017-03-01 17:41:44 | 沖縄考
大嶺實清さんの陶房に伺い、トライしていると思われる黒の筒茶碗を前にして今年もまた根路銘さん共々實清さんの陶話に聞き入った。

實清さんは予予(かねがね)利休を支えた長次郎と織部を引き合いにしながら、「楽」一徹の利休と、折々に姿を変えていく織部の作陶に目を向けながら、ご自身を「俺は織部だなあ!」と述べたことが僕の中にいつまでも留まっている。

しかし目の前の筒茶碗と、それを包み込むという若き織物師作の織物を前にした論考は、八十歳を超えてもまだ新しい世界(利休の世界だろうか!)にトライする意気込みと、思わず手に取って魅入ってしまった茶碗に魅せられた。
ふと気がつくと1時間半ほど時を経たが、その間に大勢の人々が訪れて、次々と實清さんの作品を手に入れていく。時折實清さんはにこやかに彼ら(彼女ら)に声をかけ、一瞬和やかな空気が近辺に漂うのだ。