日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

沖縄と日本・ウルトラマンと沖縄

2016-10-02 20:57:04 | 建築・風景

昨10月1日(土)の、朝日新聞夕刊のトップ記事は、`ウルトラマンと沖縄の苦悩´と題した異色のメッセージだった。
記事の冒頭にTV放映開始(データ検索すると1966年)から50年経ったとあるので、僕は20代の半ば、我が家にTVがあったかどうかも定かではなく、この時のウルトラマンや続編の存在は知ってはいたものの、観たことはない。
それはともかく、この記事では、ウルトラマンの原案者は沖縄の出身で早世されたが、共に脚本を手掛けた原案者の盟友が、『沖縄は本当に日本なのか』と問いかけている。

関連してこの一連の記事の中に、福岡高裁那覇支部が、米軍普天間飛行場移設を強行する国の主張を追認したとの一文を記す。そしてニュースを見たある脚本家が「知事が国に訴えられる。そんな県が他にあるだろうか」と述べたことを、言外に慨嘆を込めて書き記す。
そして、そうだ!と思いながらも、僕もまたどうしても一言追記しておきたくなることがある。

現知事は那覇市長の時、初代知事が全国行脚をして寄付を募って沖縄の未来を担う少年たちのために建て、後に那覇市が引き受けた「沖縄少年会館」を残してほしいと願って座り込んだ市民を、市の職員によって引きずり出させ、有刺鉄線を張って近寄れないようにし、後日この建築を解体させて駐車場にした。
僕はたまたまその現場を観ていて、更にTV放映のされる様子を夕刻盟友と一杯やりながら観て、子供もいるだろうその職員の家族が、近隣の人たちにどう思われるのかと気になった。
沖縄の友に何故こんなことをやったのだろうかと聞くと、建築存続の大切なことへの認識がないのだろうという一言、上意下達という文言が思い浮かぶ。従わないと飛ばされる!

更に現在気になっているのは、耐震診断を含めて現地調査がなされていた那覇市内与儀に建つ「那覇市民会館」の存続問題である。
今年の2月、7月と2回訪沖したおり、現地で検索をしている担当者と出会い、状況確認をした僕は、つい先日、僕の事務所に取材に来てくれた那覇のジャーナリストに気になって現状を聞いてみた。耐震診断も含めて情報公開がなされていないが、その経緯を含めて資料収集をして記録して置きたいとのことだった。