日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

沖縄へ(2) フライト

2013-02-16 17:32:40 | 沖縄考
ふっと目が覚めた。
エンジンの音と共にイヤホーンからEtta Jonesの唄が聴こえてくる。窓からは青空とその下に密生した雲しか見えない。通路を挟んだ座席のテーブルには、飲み終えた紙コップが置いてあり、若中年の男がライトを点けて文庫本を読みふけっている。そうか水平飛行になったとたんに眠り込んだのだ。ジェットスターではなくてANAB777-300の機内である。

娘は昨夕帰京し、携帯のメールに一報が来た。
「着きました。ゆれなかったしなかなか快適だったよ。明日窓際に座るのなら左側がいいよ。夕陽がすんごく綺麗で感動した!」
娘のフライトはジェットスターだった。

5日前の午後成田空港で携帯にジェットスターから欠航になったという電話が入った。今夕(琉球舞踊を見ながらの食事)のアポと明朝に建築家真喜志好一さんにヒヤリングする約束があって流石にあせった。他のLCCのことが頭に浮ばなかったがふと思いついてANAのカウンターに行ってみた。娘は定額になるが、空席があると僕はシニアのチケットで安く行けるからだ。
興味深かったのは、羽田では経験したことのない乗客の大半が米軍関係者やその家族だと思われ、これから基地のある沖縄に行くのだと感じ入ったりする。
そして帰り便、なんと僕の一便だけが欠航になってしまった。

目が覚め、乗務員にりんごジュースを頼んで飲む。美味い!
そして例の魅力的な声のパーソナリティ、ローレンス・タンターのメッセージに聞惚れながらRee LitenourのLovely Dayを楽しむ。
コーヒーとハーゲンダーツのアイスクリームも頼む。

ゆったりとその二つを味わいながら、ANAのカウンターで相談し左側の窓際の席を取ってくれた可愛くて品のいい女の子の顔や、基地問題でTVに登場する真喜志さんや、案内してもらった展望台から見たオスプレイの姿、「美ら海水族館」や「那覇市庁舎」の設計をした国場幸房さんたちのオーラを発する風貌、そのお二人と深い繋がりのある陶芸家大嶺實清さんとの、のめり込んで話し込んだ「沖縄」を考える。
そして5日間も車で案内してくれた根路銘さんの建築家としての熱い思い、彼が中心となって聖クララ教会での7回目のコンサート、心打つ演奏した海勢頭さんや、にこやかに握手をした1年ぶりにお会いするラサール神父の笑顔を想い起こす。そして沖縄くとうば(言葉)を汲みこみ、想いを伝えた「那覇市民会館」への存続要望書の市長への提出、基本策定をしたのは根路銘さんだ。

でも疲労困憊だ。沖縄の人たちの沖縄への熱き想いとパワーは並ではない!

<phot:A・Kanematsu>