日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

ああ!足場のかかっていた百十四銀行本店

2010-09-23 16:53:52 | 建築・風景

この度の四国行きは、レーモンドの設計した鬼北町庁舎(旧広見町庁舎・担当地元出身の建築家中川軌太郎)の再生委員会に出席するためである。

スケジュールの都合で前日に松山に泊ることにしてレンタカーを借りて高松に向った。DOCOMOMOで選定した「百十四銀行本店」を撮っておこうと思ったのだ。
高速代が1000円というのはありがたい。でも遠かった。四国の距離感がまだピンと来ていない。そしてがっくり来たのは、なんと外壁のメンテナンス工事が行われていて一部に足場が架かっていた。
角度を工夫したが全容が取れない。写真にならないのだ。様子はわかった。

1966年に日建設計の設計によって建てられたこの銀行の大通りに面した外壁は、丹銅板といわれる銅と亜鉛の合金で覆われていて緑青が吹いており、類例のない重量感に満ちている。想像していたとおりなのだが、しかし僕が感じたのは時代だ。
44年前の時代を表現するコンクリート打ち放しによる柱と、PCコンクリートによる格子の構成である。思わず日建でも!と胸の中で叫んだが、丹銅板と打ち放しのコンクリートとのコラボレーとが刺激的だ。
ピロティによって大通りから背面に抜ける通路が低層棟を貫いていて、その空間が市民に開放されている。この都市の街区構成に一役かっているのだ。

足場を降りてきて何をしているのかと問う職人たちと、一言二言写真談義をした。
さてどうしようか!
よし、と気になっていて訪ねることが念願だった「瀬戸内海民俗資料館」に向うことにした。そして30分後、心が震えるほど感動することになる。