日々・from an architect

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「東京中央郵便局庁舎を重要文化財として、保存活用を進める国会議員の会」の設立

2007-06-18 16:47:20 | 東京中央郵便局など(保存)

5月1日、新聞各紙に東京中央郵便局高層化という衝撃的な報道がなされた。
そして同時に郵政民営化委員会では、広くパブリックコメントを求める旨公表された。その結果が郵政民営化委員会のHPで公開されている。
法人(組織)からの14件は民営化に関する郵政事業体制に関する様々な意見が主で、中央郵便局庁舎に対してのコメントは、JIAとDOCOMOMO Japanからの2件である。

僕は数多くの人にパブリックコメントを送付してほしい旨お願いしたが、個人としてのコメントは14件とちょっと少ないとは思うものの、その全てが庁舎に関するもので、残すべきだ、残したいという思いに充ちていて胸を打つ。

ところで民主党の国会議員河村たかし氏から、超党派の国会議員で東京中央郵便局庁舎の存続問題を考えたいという相談を受けた。自民党は平沢勝栄氏が中心となって意見調整をしていくという。まず勉強会を開こうということになった。
鈴木博之東大教授にスケジュールなどの相談をし、6月6日議員会館の会議室で第一回の勉強会が行われた。

この建築の歴史的価値について鈴木先生から、僕は建築界が今まで行ってきた要望書提出や見学会、シンポジウム開催などの保存に関する活動報告を行った。
参加した議員は森山真弓氏、河村健夫氏などの大臣を経験された方など9名ほどだったが、出席出来なかった議院の秘書が大勢席を連ねた。郵政株式会社から、この問題に関する担当部長も同席され、意見交換を行った。文化庁からは、いい状態で保存されれば重要文化財としての指定検討が可能だとの意見が内々に寄せられている。

先週末、「東京中央郵便局庁舎見学と西川総裁への要望会のお知らせ」が「東京中央郵便局庁舎を国指定重要文化財とし、首都東京の顔として将来世代のために,永く保存・活用を進める国会議員の会」事務局から送られてきた。

事務局を担うのは、平沢勝栄氏の事務所と、河村たかし氏の事務所である。
国会議員の見学会は6月20日に行われる。この超党派の国会議員団の呼びかけ人は21名にのぼり、自民党から森山真弓氏、河村健夫氏、平沢勝栄氏など12名、公明党は斉藤鉄夫氏と澤雄二氏、民主党からは河村たかし氏、犬塚直史氏、郵政出身の石関たかし氏他6名、共産党の佐々木憲昭氏が名を連ねている。
本会議の最中、スケジュールをやりくりして動き始めた議員の方々の熱意は素晴らしい。

鈴木教授と相談し、お互いにスケジュール調整をして僕たちも見学会に参加することにした。
一つの考え方だが、保存して容積移転などによって許容容積を満たそうと思うと現行法では難しいが、この庁舎の価値観を共有し、いずれ法整備をするなど様々な視点による検討と、お互いのその立場を担うことによって残す可能性がでてきたのではないかと期待したい。

<これらの経緯を公表してもよいと許可を得たので、経過報告をすることにした>
<写真 清水襄>