名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

卒業制作展で戦争語り手の肖像写真展

2013-01-08 22:36:45 | Weblog
2013.1.8(火)
 名古屋学芸大学メディア造形学部映像メディア学科の第8回卒業制作展が今日から14日までの会期で、愛知県美術館ギャラリーを会場として始まった。
 この中に、一人の女学生が戦争体験者からその体験の話を聞くとともに、その体験者のポートレイト写真を展示した作品がある。
15人の戦争体験者の写真とその経歴にそれぞれのメッセージが添えられている。
彼女はその制作意図を次のように語っている。
「終戦から67年、年月が経つにつれ、その体験を語っていただける人も少なくなっています。私たち若い世代が戦争体験を聴く事も、最近はほとんどなく、知らないままに時が過ぎてゆきます。そんな今だからこそ、私たち若い世代にその体験を話していただきたい、伝えてほしいのです。
 体験者の方々にとって、戦争を語っていただく事は、当時を思い出す事であって本当に苦しく、話すだけでもつらい事だと思います。話せる事だけで構いません。私自身、その伝えていただいた思いを、しっかり受け止め、そしてまた誰かに伝えることができたら、と思っております。」

 展示は2段に並んだ15人の語り手とそれぞれの解説だけという、他の派手な出展と比べてみれば地味なものである。しかしそこには、あの時代の出来事を後世に伝えたいという彼女の思いがひしひしと伝わってくる。
 戦争を知らない若い女学生が、風化していくあの時代の“さま”を戦争体験者が語る姿を、写真という手段をもって蘇えらせようとした意気に共感のエールを送りたい。