田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

私にとっては「世界樹」九十年見続けてきた鹿沼今宮神社のケヤキの切り株にヒコバエの芽が…… 麻屋与志夫

2022-03-04 18:17:11 | ブログ
3月4日 金曜日
鹿沼の鎮守様、市役所前に今宮神社がある。
境内の北東の隅にケヤキの大木がいまは切り株となっている。
枯れ枝がめだっていた。
まだまだ樹勢はなかなかのものだと見上げていた。
数年前に切り倒されてしまった。
樹齢はわからないが800年は越えていたのではないか。
いやもっと古いのかも。
切り株の周囲だって半端ではない。
四畳半くらいの広さがある。
家のすぐそばなので、境内は、わたしたちの遊びばだった。
このケヤキの根元にホームベースを書き石で描きよく草野球をしたものだった。
千手チームというネームは中津の晴美さんがつけた。
上沢の広ちゃんの家の裏の物置にチームのたまりばがあった。
チームの仲間はみんなもういない。
あるとき、幹に祈り釘をみつけた。
丑の刻まいりの、藁人形、五寸釘。
そのおどろおどろした様子はいまでも記憶に鮮明に残っている。
後に帝国繊維の野球部で活躍した福田の勇さんなんかはどうしているだろうか。
東京にいってしまったので消息はわからない。
栗山村の木こりがきて、よく枝をおろしていた。
ロープ一本を命綱として、枝から枝に飛び移るアクロバットのような妙技にはよくみとれたものだ。
わたしにとっては、世界樹のような存在だった。
樹冠をなす繊枝の芽がいまごろであれば膨らみだす季節だ。
散歩のたびに「お前さん長いことよくがんばつているな」と声をかけていたのに。
切り株がぽろぽろとはげ落ちていく。
「よくがんばった。よくがんばった」根元をたたいていたのに……。
おどろくではないか。
ヒコバエの芽がちらほらでていた。
はたしてこのケヤキの木の芽かどうかはいまのところわからない。
そうであってほしいものだ。
明日からの散歩が楽しみとなった。


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