田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

ミンナコロシタイ!! イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-10-10 11:33:08 | Weblog
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「わたしまえから。知っていたよ。先生がナイフで翔太の鞄、切ったの見ていたよ」

我田は手近にいた。

逃げ遅れた。

生徒の喉首を。

冷ややかに切り裂いた。

いっきにナイフをさしこみリンゴの皮でもむくように円く切り裂いた。
だいぶ、なれてきた。
もう何人殺したろう。
どうせなら、生徒をみんな殺してやる。
ナイフから伝わってくる生徒たちの恐怖がたまらなく楽しい。
教室の支配者は先生だということを刻み込んでやる。
わたしは喉切り魔。
生徒たちのかわいい喉を切り裂いてやる。

ナイフが迫ってくる。
富子は必死で避けた。
それでも肩に痛みが走った。
 
このとき、床下で高い声がした。
ボーイソプラノ。
いやもっともつと高いハイトーンのひびき。
ひびき?
そしてやがて――。
そのこえは三重にかさなってひびいた。
超衝撃波のような振動がする。
あまり高すぎて肌がひきつれる。
耳に衝撃がある。
先生の動きが一瞬とまった。
富子はそのすきに逃げた。

「翔太の声みたい。どうして翔太の声がするの。イジメぬいて追放したのに」

そうだ。
あれは翔太の声だった。
富子は肩を押さえて廊下を逃げた。
翔太に救われた。
どこにいるの。
翔太。

「我田先生。止めなさい」

やっとほかの先生が保健室に飛び込んできた。
中島先生だ。

「我田先生。止めなさい。止めるんだ」
とは中島はいわなかった。
生徒が期待したようなことばは。
中島先生の口からはでなかった。

「どいてよ」
だから我田先生もそんなことはいわなかった。

「きみたち、どうしたの? 我田先生にさからっちゃダメだよ。先生にさからうとどういうことになるか……ヨウク考えたかな。先生にさからうとこうなるんだよ」
中島先生もニタニタ不気味に笑っている。
血をふいてたおれている生徒をゆびさして。
女児を頭の毛をつかんでひきまわしている。
まだ血を吹いて呻いているのに――。
逃げ遅れて保健室いた生徒たちが悲鳴をあげてドアへ殺到する。
我田がナイフを横に振る。
そこに中島に胴があった。   
ドバッと血がふきだす。
「我田先生。ぼくを刻むなんてヒドイ。ヒドイですよ」


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