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隼人はそこで動悸がはげしくなった。
もうひとり襲われそうな人物がいる。
やはり麻耶姉妹、里恵と里佳子。
の。
予感は的中しているにちがいない。
里佳子は鹿沼に車をとばしている。
でも二時間はかかるだろう。
まにあわないかもしれない。
いや、まにあわない。
だろう。
隼人は秀行に山手線のトイレから携帯で連絡をとる。
「隼人です。美智子さんのおじいちゃんの住所はわかりますか」
「キリコに聞けばすぐわかる」
秀行の声がてきぱきと指示をあたえているのがかすかに聞こえる。
「なにか起きると思うのか」
と隼人に秀行がいう。
キリコの声がダブる。
「お兄ちゃんやっぱ連絡つかない。
なにかあったみたい。
美智子さんのおかあさんが鹿沼に電話した。
でも、でない。里佳子さんが車で鹿沼に急いでいる。
迎えにいった。心配だよ。
……とっくに自由が丘についているはずの。
オジイチャンの翔太郎さんが行方不明のままなの」
「美智子さんの、オバアチヤンが一人です。
危険すぎます。これからいってみます。
鹿沼ですね。
東京駅から東北新幹線で宇都宮まで50分くらいでいけるでしょう」
「キリコにもヘリでいかせる。
隼人くんの予感が的中しないといいが」
隼人の受話器からキリコの声がびんびん聞こえてきた。
「わたしのほうが早いと思うよ。
隼人、宇都宮からは、日光線はローカルだから一時間おきだから。
駅前からタクシーにのって」
宇都宮駅前の交番から巡査がとびだしてきた。
「榊隼人さんですか。
本庁から指令をうけています。
わたしがお供します。
マヤ塾はしっていますから」
警察庁からの命令をうけて、
交番の巡査ははりきっている。
敬礼をすませて巡査はすぐに運転席にすわった。
「阿久津です」という挨拶にうなずく。
隼人は鹿沼のマヤ塾に直接携帯をいれてみた。
つながった。
「はい、マヤ塾」
「友永さんいますか」
隼人はバックレテ、いるわけのない人の名前をいってみた。
「バカか。そんなやついない」
がちゃん、といった感じできられた。
隼人はゾっとした。
オニガミの声だった。
すくなくとも、鬼にのっとられている男の声だった。
予感が的中してしまった。
智子がどうなっているか、
まだ襲撃犯がいるということは……
美智子のおばあちゃんの智子が、
ぶじでいる可能性がある。
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「なにか起きると思うのか」
と隼人に秀行がいう。
キリコの声がダブる。
「お兄ちゃんやっぱ連絡つかない。
なにかあったみたい。
美智子さんのおかあさんが鹿沼に電話した。
でも、でない。里佳子さんが車で鹿沼に急いでいる。
迎えにいった。心配だよ。
……とっくに自由が丘についているはずの。
オジイチャンの翔太郎さんが行方不明のままなの」
「美智子さんの、オバアチヤンが一人です。
危険すぎます。これからいってみます。
鹿沼ですね。
東京駅から東北新幹線で宇都宮まで50分くらいでいけるでしょう」
「キリコにもヘリでいかせる。
隼人くんの予感が的中しないといいが」
隼人の受話器からキリコの声がびんびん聞こえてきた。
「わたしのほうが早いと思うよ。
隼人、宇都宮からは、日光線はローカルだから一時間おきだから。
駅前からタクシーにのって」
宇都宮駅前の交番から巡査がとびだしてきた。
「榊隼人さんですか。
本庁から指令をうけています。
わたしがお供します。
マヤ塾はしっていますから」
警察庁からの命令をうけて、
交番の巡査ははりきっている。
敬礼をすませて巡査はすぐに運転席にすわった。
「阿久津です」という挨拶にうなずく。
隼人は鹿沼のマヤ塾に直接携帯をいれてみた。
つながった。
「はい、マヤ塾」
「友永さんいますか」
隼人はバックレテ、いるわけのない人の名前をいってみた。
「バカか。そんなやついない」
がちゃん、といった感じできられた。
隼人はゾっとした。
オニガミの声だった。
すくなくとも、鬼にのっとられている男の声だった。
予感が的中してしまった。
智子がどうなっているか、
まだ襲撃犯がいるということは……
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