田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

敵の正体がみえてきた? /さすらいの塾講師  麻屋与志夫

2010-11-22 15:57:01 | Weblog
第八章 日常のなかの恐怖

1

初冬のけぶるような氷雨が降る新宿。
傘もさしていない。
両手をポッケにいれている。
前かがみに、俯いてゆらぎただよう人びと。
――歌舞伎町だ。

異様な姿の人の群れ。

霧雨のようになってきた。
雨は上るのかもしれない。
でも人の動きには変化がない。
ただなにか青白い影が彼らのシルエットにダブって見える。
憑かれているものがいる。
操られているものがいる。
彼らであって、彼らではなくなっている。

そんな群衆の中をvividな動きで移動していく女の子。
クノイチ48のチームだ。
だが、100人は超えている。

黒の長めのレインコート。
「翔子。純とまた共闘出来てうれしいでしょう」
先頭をいく百子が、翔子にだけ聞こえる声で言う。
「小山田副総理が自殺するなんて、かんがえられないよ。日名子さんに護衛が集中していたのに……。まさかね……」
ガードするべきは日名子ではなかった。
父の副総理のほうだったのだ。
自殺の経緯も動機も報道されていない。
マスコミは沈黙を余儀なくされている。 
政局は大混乱。
解散総選挙が噂さされている。

「純たちのほうが、さきにつくかしら」
「わたしたちは、オブザバーで、参戦するななんて失礼よね」
それで百子はイジになってチーム全員に招集をかけたのだ。
コマの奥のゲーセンの路地にとめてあるバイクに向かっている。
目指すは新大久保、百人町。
 
同じ雨の中、こちらは車で新大久保へ。
GGとミイマと玲加。
『刀エクササイズ』のメンバーが百人町を目指していた。

「わたしたちは参戦しなくてもいい。敵の姿をひとりでもおおくの関係者にみておいてもらいたい。そう、勝則君がいっていた」とGG。
「陸自の異能部隊、百々さんからも同じ連絡よ」とミイマ。

全員が目指しているのは『在京ルーマニア人協会』だ。



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