田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

リリは美人薄命なのかもしれない。 麻屋与志夫

2016-01-27 03:52:53 | ブログ
1月27日 Wed.

●リリは美人薄命なのかもしれない。かわいい。過ぎる。
カミさんに一生懸命コケテッシュな愛きょうをふりまいている。
カクレンボをしてカミさんと遊ぶ。
いや、カミさんを遊ばせてくれる。
買い物袋のなかにもぐりこんでしまったり。
御殿掛にかけてあるクロスの背後にもぐりこみ、尻尾だけパタンパタン動かしていたりする。

●「ミーツケタ。リリちゃん、見つけたよ」
カミさんの笑い声が、リリがわが家に降臨してからというもの、絶えたことがない。
いや、リリはカミさんが召喚したのだ。

●わたしには、ブラッキ―がいる。
彼女は片時もわたしのそばを離れない。
カミさんは「わたしの猫が欲しい。わたしも猫が欲しい」と訴えつづけていた。
その甲斐あって、ある日ふいに、玄関に手のひらサイズのやっと乳離れしたばかりの雌の子猫が出現したのだ。
近所に子猫を産んだ猫はいない。
のみならず、Kさんの家のほかには猫を飼っている家はない。
塾の卒業生でも、わたしたちが猫好きなのを知っていて、そっと、置いていったのかな。
いくら推測しても、わからない。
困ってしまってニャン、ニャン、ニャニャンだ。

●こういうときには、年の功でこんな風にかんがえる。
『かんがえても、結論が出ないことは――そのままにして置く』
それ以上かんがえないことにしている。

●こんなの、年の功とはいいませんよね。
騏も老いては駑馬に劣る。
かんがえるのが面倒なので、逃げ、にげ、ニゲなのが、見え見えですよね。
――あなたに見透かされたようですね。

●カミさんがリリと笑い興じているのを見て、なぜかさびしい予感にうちふるえています。
美人薄命。薄命。
お金がいっぱい、病気でかかっているのだから長生きしてよ、リリ、とこころのなかで、祈っている。

●わたしは月に一升瓶一本ていどの酒飲みなのだが、5年間の酒代がかかっている。
こういう卑しいことをいうから、優雅な暮らしに憧れ、『バラと猫との日々』の生活を送っているカミさんにしかられるのだ。軽蔑されるのだ。
●アブラカタブラ。この世界的に唱えられる呪文は『この言葉のように消えてしまえ という意味』らしい。リリが消えますようにと呪文を唱えたのではない。
わたしの予感がはずれて、消えてなくなってしまえ。という意味で口にしたのだ。

●リリが長生きしますように――。



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