田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

背中がスウスウシタ 麻屋与志夫

2014-10-07 08:10:31 | ブログ
10月7日 火曜日

●みように背中がスウスウスル。

寒気が――する。

えっ、これってなんだ? 

と思ったらリックを背負ってくるのを忘れていた。

●「こんなことは、初めてだ。いよいよ、ウロが回ったのかな」

「そんなことないわよ。わたしなんか、ショッチュウジヤない」

いくら慰められても、ダメだった。

安喜亭さんの前まで来ていた。

家に帰るのも億劫なのでそのままベニマルに向かった。

●でも、それからがたいへんだった。

いよいよボケがはじまったのか。

物忘れがひどくなって、小説が書けなくなったらどうしょう。

絶対的な自信のあった記憶力。

それが……いままでこんなことはなかったのに。

やはりどう考えても――考えなくても、これは――。

●フアンというよりも恐怖に襲われた。

それからは、いつもは饒舌なのにしょんぼりと俯き、華奢なカミサンの後について歩き続けた。

●考えてみると、物忘れをしたことがない。

●もうこの歳になったら、あまり完全であることはないだろう。

これからは、失敗したり、物忘れしたり、ムダに完ぺきであることはない。

●歩きながら、じぶんを慰めた。


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