田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

夕日の中の理沙子  18 麻屋与志夫

2008-12-01 16:59:57 | Weblog
3月3日   
いやーな英語の単語をやっているときも。
コウジのことばかりおもっていた。
コウジとはじめて出会ったときのこと。
かんがえていた。

霙ふる日曜日だ。 
とくいな数学のワークは5ページもよけいにすませた。
時間はいくらでもある。
ボケっとしていても、いいよね。
なにか書きたい。
教え茶羽化。教えちゃうか、って打ったらへんな漢字がデスプレイされた。
もう、ルポのおじさん、へんな変換しないで。
チヤカサナイデ。
でなくったってわたしテレテレテレなんだから。
でも、でもききたいんでしょう。
ルポのおじさん。
理沙子とコウジの出会いのときを……。 

宇都宮。神沼から12キロの県都。
オリオン通。    
アーケード街が新装された。
去年の夏だった。    
キヨミ、タエコとわたし。
amsの地下。  
書籍売り場。パピルスにて……。
 
ドジだったな。 
ドスと壁に突き当たった。

壁ではなかった。
男の子。
キヨミはおおきい、タッパ(背丈)。
たぶん、1めえとる80にはそのうちなる。  
あたしたち……靴音立てて、おしゃべりしながらあるいていた。
本屋さんの床はなぜかよく靴が鳴る。
床が板ばりだからかしらね。
女店員がこのーうもう、田舎者ってかんじで、あたしたちをみていた。
女が女をみる目ってきらい。
女の視線はトゲだらけ。
棘には嫉妬と羨望の毒があるんだぞう。
一突きで、必殺。      
相手の女を悶絶させちゃうゃうんだから。
わたしたちは、客よ。
もっとソフトなまなざしでみてよね。
「あらぁ、ゴメン」
ジブンでぶっかったわけではない。
そんなことがあっても、さきにあやまるキヨミではない。
それがオジョウヒンを絵にしたようなしぐさで、あやまった。
おどろいた。
だって、あんなことはじめてだったもの。
キヨミがすなおにあやまっている。
衝突したのは、わたしだった。
突然顔をあげると、背がたかく、たくましいベッカムさまが、そこにいた。




one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
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ああ、快感。
コメント
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