田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

夕日の中の理沙子 12 麻屋与志夫

2008-11-28 16:03:42 | Weblog
「あたら、せんぱいづらして、理沙子いびるんなら、あったしがあいてするわよ」
すさまじい気迫だった。    

それで、こわいお姉たちもだまってしまった。
ほんとは、わたしが美しすぎるからだ。
わたしは美しいなんておもったこともなかった。

ところがコウジがきれいだ。
なんていってくれたから、その気になってしまったのだ。
ぼくははじめて女の子をすきになった。 
わたしが、その言葉のシンジツをしったのはずっとあとになってからだ。
はじめて、女の子を……すきになった。
なんて、ニクイニクイコトいった。
女に嫉妬されるほどきれいらしいんだ。 わたしは。
でも綺麗、美しいなどということは、主観のなかのことだ。
愛するひとにそういわれれば、それでもう十分なのだ。
それにしても、こわいんだから、ブス女のシット。
キットだれだって美しく生まれたいのだ。
でも、じぶんの容貌をオダーして、生まれてくるわけじゃない。

ブスに生まれたら、天をウラメ。

あああ……かわいそうなクリーチャなのだ。

女という生きものは。 

そこで、わたしテキには、あまりいじめられるので。

(不良グループには先生もなにもいわない……)のに気づいた。

先生たちは半マジメくらいの生徒をいびるのだ。

ああ、校長先生の理想と現実はどうしてこうもちがうのだ。

青春小説のなかのお事件とわしたちのまわりの現実は。

なぜなぜこうもへだたりがあるのかしら。   

でも、それがオモシロイの。

ネネネ。

ツツパリ生徒にはなんにもいわない。

キレそうなこにはなんにもいわない。

閉じこもりオタクには声もかけない。

けっきょく、こわいんだろう。
けっきょく、わたしたちはわたしたちで、生きていかなければならないのだ。

自衛権を発動しなければ中学生活なんて真っ暗闇。
みんなぁ、がんばっていきていこうぜょ。

キヨミたちと仲良くよくするようになってからは。
たしかに先生やセンパイたちからの批判とイジメの風あたりは弱まった。
いまでは、「花の清美組」アリガトウ。

感謝感謝。




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夕日の中の理沙子 11  麻屋与志夫

2008-11-28 08:51:10 | Weblog
2月23日 
寒い。
……。
寒い。
……。
寒かった。

そんなバカなことあるかよ……。

コウジをおこらせてしまった。

あたしがわるいの。

AK。後が気まずい。

そうわかっていたのに。

……あのときすぐあやまればよかった。

あたしってネはシャイナ。 

それでいて、イジッパリ。 

目立ちたがり屋。

周りのひととうまくいかない。

KY。

空気読めない。

環境破壊人間なんだ。 

デストロイヤーなのだ。

ヤーな性格しているんだ。

キヨミたちのグループと組んでいるんだって。

はじめはセルフデェフェンスだった。

わたしは、ほんとは西中にはいるべきだったのだ。
だって、西中の学区だったのだから。 

それを。
父が。
東中のほうが。
宇女高への。
進学率が高い。
非行問題が頻発していない。
という。
おとなの論理で。
母の実家の千渡に。
わたしが住んでいることにして。
……ああもういや。
……東中にもぐりこませたのだ。

それが裏目にでた。

なまいきだ。

よその学区内なのに……理由はなんとでもつけられる。
1年入学のときから先輩や体操教師担任のミス大田に。
いじめぬかれてきた。

ぜんぜん……校長の理想とはほどとおいカンジ。
それが東中学校の現実だった。

べんざ、風邪薬のベンザじゃねえぞ。
便座に顔をおしつけられーー。
リンチくってたあたしをヘルプしてくれたのは。
同級生の男の子じゃなかった。 

キヨミだった。

いまどきの、同級生のオトコの子なんか。
軟弱。
てんでたよりがいがないんだから。

ゴキブリも殺せない。 
教室をはいまわるゴキブリに。
「いやぁん、おかあさん……こわいよぅ」
といって机のうえに逃げてしまう。
ソンナノッテあり?    
かなしいよ。
ああ、いやだ。いやだ。





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