田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

冬の夜の雨

2007-12-13 12:54:18 | Weblog
12月13日 木曜日 雨
●雨が降り出したとき、わたしはまだ眠れない夜をすごしていた。ベッドのすぐ横が窓になっている。窓ガラスの向こう側では、冬の夜の寂寥をかきみだすのを遠慮してているかのように雨が落ちてきていた。トタン屋根をぬらすていどの小雨。ときおり、風が吹き過ぎていく。落葉樹はすっかり葉が落ちつくしている。ざわざわっといった風音はきかれない。木の葉一枚、草の葉一枚そよがせることはない。満目しょうじょうとした田舎町の夜の底を吹きわたっていく。

●ぼんやりと回想にふけっていた。最近、老いてから気づいたのだが、脳がパソコン並みに思い出をカテゴリーに整理している。分類別にわけている。若いときは、さほど思い出もないので時系列に沿って記憶していた。

●そして、その膨大な量の記憶の中から例えばこの冬の夜の雨にまつわるような記憶のかずかずをたちあげることができる。おもしろいではないか。でも、冬の夜の雨にはあまり楽しい記憶はない。あわててべっのことを考えた。マイナス思考に陥るのを恐れたからである。

●カミサンとF橋の中央で出会って、そのまま河畔を散策した。そうした思い出こそ冬の夜にはふさわしい。ほのぼのとこころが暖かになる。

●それでも、寝付かれなかった。階下におりてHALを開いた。訪問者がきになった。mima_002のカミサンのブログもまあまあの訪問者だった。このとき隣室で絹を裂くようなカミサンの悲鳴。
「どうした。ゆめだ、ゆめをみてるんだ」
「猿におそわれたの」
 丁字の滝まで歩いたとき野生の日光猿軍団にあった。カミサンには怖い体験だったのだろう。

●すっかり寝そびれてしまった。田村隆一の詩集を読んだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする