ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『なぜ外務省はダメになったか』 - 4 ( 親中派の議員の中国詣で )

2017-10-19 17:34:51 | 徒然の記

 今回は、2項目目に入ります。小雨の降る寒々とした日です。この天候と同様、ブログに向かう気持も暗くて重いものがあります。 

 
  〈 2.   親中派の議員の中国詣で  〉
 
  田久保・・
 
  ・歪みきった対中ODAは是正すべきですが、既成事実になっていますから、少しでも減らせば、日中関係を阻害すると、中国に突っ込まれる弱点になってしまいました。
 
  ・事務当局や政治家が、国民に説明出来る援助をするのだという、並々ならぬ決意が要ります。
 
  ・とうぜん中国と腐れ縁のある政治家が、削減反対を主張するでしょう。
 
  村 田・・   
 
  ・親中議員という人々が沢山います。そういう人たちの中には、中国からこのプロジェクトに援助して欲しいと、頼まれるケースがあります
 
  ・それで外務省に取り次ぐ人もいます。閣僚でもなければ党三役でもない、ただ単に、外交部会とか政調会にいるだけの政治家もいます。
 
  ・とにかく、中国と関係を持っている議員が多すぎると思います。ほとんどの人が、年に一回中国詣でをする。
 
  ・そして、江沢民に会いたがる人が多い。北京詣でを止めて、東南アジアや、アフリカやパキスタン、インド等をもっと訪れるべきです。
 
  ・彼らは、日本に期待しているのですから。
 
  田久保・・
 
  ・ われわれは民主主義国家に住んでいますが、中国は全体主義国家なのです。
 
  ・中国では対日政策をする窓口は一本で、ことによると、たった一人が仕切っているかもしれません。
 
  ・具体的には、唐家璇外相でしょう。すり寄ってくる著しい数の日本の議員や、財界人マスコミ人がいても、自由自在に操れるわけです
 
  古 森・・
 
  ・日本国民の目の届かないところで、中国の意向に沿って、姑息な動きをする政治家があまりにも多すぎるのです。
 
  ・駐日中国大使館のスタッフは、常に日本の国会議員の間を遊弋しいつでも来てくださいと誘っています。
 
  ・議員にとってその招待が魅力的なのは、経費がほとんど先方持ちだという点です。
 
  ・議員は往復の飛行機代を出すだけで、宿泊費、中国国内を移動する交通費、毎晩の豪華な宴会費など、全部中国側が出しています。
 
  ・日中友好議員連盟会長の林義郎氏も、この点は記者会見ではっきり認めていました。
 
  ・議員がアメリカを視察しても、アメリカが全面的に負担することはあり得ません。イギリスでも、ロシアでも、同様でしょう。
 
  ・中国だけがこんなことをやっていること自体が、まずおかしい訳です。中国に、巨額の援助を与える力を持つ立場にいるのに、その中国から、接待や饗応を恒常的に受けている。
 
  ・国内でこんなことをすれば、直ちに収賄罪で摘発されかねません。
 
 古森氏の具体的な話がこの先も続き、個人名も出てきます。15年前の話なので、故人となった政治家もいますが、読むほどに不快感がつのります。長い紹介となりますので一区切りし、すぐに次回にかかります。
 
 次回は、古森氏の説明が中心となります。呆れたくなる話でしたが、次回はもっと呆れる内容です。不愉快な説明と予告しておきますので、「ねこ庭」を訪問されるようにお勧めをしません。
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『なぜ外務省はダメになったか』 - 3 ( 限度を超えた対中ODA )

2017-10-19 13:29:18 | 徒然の記

 この本は、前半と後半に分かれています。前半は村田氏の叙述ですが、後半は氏を含む三人の対談形式となっています。

 予備知識として、三人の略歴を本の裏扉から転記しますが、村田氏はすでに知っているので、残る二人です。

  1. 田久保忠衛

  昭和8年生まれ。早大法学部卒。時事通信社ワシントン支局長、のちに外信部長、編集局次長。杏林大学教授となる。

  2. 古森義久

  昭和16年生まれ。慶大経済学部卒。米国ワシントン大学留学。毎日新聞記者、サイゴン、ワシントン特派員。のちに産経新聞者で、ロンドン、ワシントン支局長、初代中国総局長を経て、ワシントン駐在編集特別委員兼論説委員。

 三人の対談の部分で、私が最も衝撃を受けたのは、中国に対する不必要な多額のODA援助の実態と、親中派の国会議員の実情でした。薄々は想像していましたが、ここまでハッキリ語られるとは考えていませんでした。

 選挙期間中なので議員の名前を出さないようにと、最初は思いましたが、途中から無用な配慮を止めにました。

 余計なコメントをを加えるより、三人の意見をそのまま紹介することにしました。以下の内容で、ブログにまとめました。

   1. 限度を超えた対中ODA
 
   2.   親中派の議員の中国詣で
 
   3. チャイナスクール
 
 〈 1. 限度を超えた対中ODA   〉
 
 古 森・・
 
 ・対中外交の最大の柱は、やはり中国への、公的資金の供与でしょう。
 
 ・なにしろ総額6兆円という天文学的な資金が、中国へ贈られているんです。」
 
 ・最近のODAは返済期間や金利などを考えると、限りなく贈与、つまり無償援助に近いのです。この資金の供与は、日本ではほとんど報道されません。
 
 ・資金供与の決定は、財務省が主体で密室で決めています。
 
 ・誰がどういう基準で、どういうプロセスで決めているのか、明らかになっていません。
 
 ・平成13年4月、広東省の空港建設に438億円、湖北省の化繊プラント建設に72億円でした。
 
 ・ところが日本は洪水のような中国の化繊品の輸入で、福井、富山、石川などの北陸地方で、中小企業の倒産が続出しているのです。
 
 ・であるのになぜ日本の援助を中国にするのか、北陸三県の繊維協会から激しい抗議が起き、国会で問題になりました。
 
 ・平沼経済産業相はこの資金供与について報告されておらず、知っていれば反対しただろうと、驚くべき答弁をしています。
 
 ・放っておくと、ODAに対する国民の信頼が失われていきます。さらに中国への反発が、不必要に高まっていくでしょう。
 
 ・対中ODAというのは、そうした進行性のガンのような危険な毒性を持つに至っています。
 
 ・中国の国民一般は、日本から援助をもらっているという事実を知りません。私が接した中国の知識人には、日本から援助を貰う必要なんかないんじゃないかと、そういう意見が多かった。
 
 村 田・・
 
 ・大平首相がODAを始める時、中国への友好関係の維持発展を述べたのは、心の中で戦後賠償をしなかったことが、負い目になっていたのでしょう。
 
 ・でも三兆円くらいで、もう賠償分は済んだと割り切るべき時期です。
 
 ・旧ソ連圏だったウズベキスタン、それからインド、バングラディシュ、ミャンマー、それからアセアンの重要国であるフィリピン、インドネシア、タイ、マレーシアにも、引き続き支援を行う必要があります。
 
 ・ベトナムとの関係緊密化のため、手段としてODAを大いに使うべきでしょう。
 
 田久保・・ 
 
 ・それだけの壮大な外交的構想に基づいて、ODAを配分できる人は誰なのでしょう。あるいは、どこの省なのですか。
 
 ・経財産業省や農林水産省もそうでしょうし、そういうものを全部まとめて統合して、戦略や外交に結び付けられるところって、どこでしよう。」
 
 村 田・・
 
 ・一昔前に比べれば、外務省に集まる度合いが高くなりました。
 
 ・しかしまだ完全ではない。外務省の下に、国際協力庁みたいなものを作るのも一案です。
 
 ・アメリカの、AIDのようなものです。ODAは外務省主導で行うのが、一番国益にかなうと思います。
 
 古 森・・
 
 ・ちなみに中国側は、日本からの援助を「 合作 」と呼んでいます。
 
 ・援助を合作と呼べば、受ける側は、ますます援助をもらっているという感がなくなります。
 
 ・日本側でも経済援助言とわないで、経済協力という用語にしています。
 
 ・日本側にも、問題があります。ですから中国国民に、日本から多額の金をもらって中国が非常に助かっている、という意識はほとんどないのです。
 
 ・田久保さんが言われたように今の対中援助は、ODA大綱の四原則のうち、三つの全てに違反しています。
 
 ・しかも中国自身が、年間500、600億円という巨額を他国に援助として与えています。
 
 ・日本からもらう金の、3分の1に近い金額を供与しています。これはどう見てもおかしい。
 
 ・さらに言えば中国の外貨準備高が、日本に次いで世界第2位の巨額に達することです。こんな中国へ、援助の必要などありません。
 
 対中国ODAの不都合さについては、まだ沢山の意見が交わされていますが、さわりの部分だけを紹介しました。
 
 中国の国民に実体が知らされていないと、3人が話していますが、日本国民も何を知らされていたのでしょう。対談を読んでいますと、ツンボ桟敷に置かれた国民の姿が浮かびます。
 
 官僚や新聞記者や政治家は、肝心なことを国民に知らせず、巨額の税金を使っているという事実が分かってきました。
 
  村田氏も外務省の役人らしく、他の二人に指摘されるODAの不合理さには同意せず、他省が介入していたODAを、外務省が一手に行うべきだと省益を優先させています。
 
  今回は予定していた3項目のうちの一つを、紹介しました。次回は、下記2と3の項目について報告します。
 
   1. 限度を超えた対中ODA
 
   2.   親中派の議員の中国詣で
 
   3. チャイナスクール
 
コメント (2)
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