村田氏の書評の二回目に、次のように述べるという大きな間違いを していました。
・外務省の後輩たちが愛国心を失った原因を語るのなら、もう一歩進め、本音を言ってもらいたい気がしました。つまり「 憲法改正 」 です。
再読していましたら、氏の「憲法改正」論を見つけました。先を急ぐあまり、読み忘れたのでしょうか。お詫びのため、追加を書くことにしました。
氏の言葉をそのまま、紹介いたします。
・バブル崩壊以降、経済が漂流を続けている中で、外交も漂流を続けていて、これらに関する検討もまったく進まず、何のビジョンも生まれていない。
・そして日本の現実はといえば、全てが不確定であり、よどんでおり、事なかれ主義で、その日その日が送られているのが現状だ。
・これでは外務省にも、気力が充実してくるはずがない。
・このような状況で、日本外交が必要とする使命感の確立は、今や憲法の改正無くしては行い得なくなっていると感じている。
・不磨の大典とされた明治憲法が、現行憲法に取って代わられ、今や現行憲法は、明治憲法とほぼ同じ五十有余年の年を閲 ( けみ ) するようになっている。
・私は現行憲法に、十八世紀以来の西欧を起源とする、民主主義と人権尊重の諸原則が盛り込まれていること自体は評価しているものの、外国に強制された憲法を持ち続けることは、
・誇りを持つ国民のすることではなく、また憲法前文のごとき、偽りの綺麗ごとを受け入れるのは、理性を持つ人間のなすべきことではないとの理由で、改憲を主張した。
「ねこ庭」で日頃考えていることを、そのまま氏が語っていました。
・これに対し國広道彦元中国大使は、自衛隊の現状ないしは、将来必要とされる姿と憲法の規定の乖離が大きすぎて、このことが国民の政府不信を招き、このような二枚舌は外国も信用しなくなるとの点を、改憲の最重要な理由づけとしている。
・卓見である。
憲法の規定と現実の乖離が、国民に政治不信を生じさせ、学校教育を歪めています。自民党と反日野党の不毛な論争が、今では国論を二分する事態となっています。外務省にも、村田氏や国広氏のような人物がいたということです。
・このような虚構のもとでは、」「日本は二十一世紀の日本外交の指針を自信をもって打ち出せず、外交官も、真の使命感を持つことができないようになっているのではないか。
・外務省の一部の制度上の改革は、国としてのビジョンなしでも実施可能だ。
・しかし外交改革ないし、外交再建は、ビジョンないし理念の確立無くしては、ある限度以上には進み得ないのではなかろうか。
村田氏に、お詫びをいたします。
ジャーナリストの2氏の話の率直さに引かれ、氏の「憲法改正論」を見落とすという失敗をしました。
氏はこれまで日本外交で叫ばれてきた、「等距離外交」「全方位外交」「橋渡し外交」「政経分離」についても、厳しい批判をしています。日本外交の先頭に立ち、害務省の悪評をものともせず実践を重ねてきた氏の意見を、たくさん割愛しています。
「ねこ庭」の紹介に満足されない方は、図書館で借りられることをお勧めします。長いブログとなりましたが、今回で終わりといたします。