ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『なぜ外務省はダメになったか』 - 8 ( 村田次官の憲法改正論 )

2017-10-21 19:54:27 | 徒然の記

 村田氏の書評の二回目に、次のように述べるという大きな間違いを していました。

   ・外務省の後輩たちが愛国心を失った原因を語るのなら、もう一歩進め、本音を言ってもらいたい気がしました。つまり「 憲法改正 」 です。

 再読していましたら、氏の「憲法改正」論を見つけました。先を急ぐあまり、読み忘れたのでしょうか。お詫びのため、追加を書くことにしました。

 氏の言葉をそのまま、紹介いたします。

 ・バブル崩壊以降、経済が漂流を続けている中で、外交も漂流を続けていて、これらに関する検討もまったく進まず、何のビジョンも生まれていない。

 ・そして日本の現実はといえば、全てが不確定であり、よどんでおり、事なかれ主義で、その日その日が送られているのが現状だ。

 ・これでは外務省にも、気力が充実してくるはずがない。

 ・このような状況で、日本外交が必要とする使命感の確立は、今や憲法の改正無くしては行い得なくなっていると感じている。

 ・不磨の大典とされた明治憲法が、現行憲法に取って代わられ、今や現行憲法は、明治憲法とほぼ同じ五十有余年の年を閲 ( けみ ) するようになっている。

 ・私は現行憲法に、十八世紀以来の西欧を起源とする、民主主義と人権尊重の諸原則が盛り込まれていること自体は評価しているものの、外国に強制された憲法を持ち続けることは、

 ・誇りを持つ国民のすることではなく、また憲法前文のごとき、偽りの綺麗ごとを受け入れるのは、理性を持つ人間のなすべきことではないとの理由で、改憲を主張した。

 「ねこ庭」で日頃考えていることを、そのまま氏が語っていました。

 ・これに対し國広道彦元中国大使は、自衛隊の現状ないしは、将来必要とされる姿と憲法の規定の乖離が大きすぎて、このことが国民の政府不信を招き、このような二枚舌は外国も信用しなくなるとの点を、改憲の最重要な理由づけとしている。

 ・卓見である。

 憲法の規定と現実の乖離が、国民に政治不信を生じさせ、学校教育を歪めています。自民党と反日野党の不毛な論争が、今では国論を二分する事態となっています。外務省にも、村田氏や国広氏のような人物がいたということです。

 ・このような虚構のもとでは、」「日本は二十一世紀の日本外交の指針を自信をもって打ち出せず、外交官も、真の使命感を持つことができないようになっているのではないか。

 ・外務省の一部の制度上の改革は、国としてのビジョンなしでも実施可能だ。

 ・しかし外交改革ないし、外交再建は、ビジョンないし理念の確立無くしては、ある限度以上には進み得ないのではなかろうか。

 村田氏に、お詫びをいたします。

 ジャーナリストの2氏の話の率直さに引かれ、氏の「憲法改正論」を見落とすという失敗をしました。

 氏はこれまで日本外交で叫ばれてきた、「等距離外交」「全方位外交」「橋渡し外交」「政経分離」についても、厳しい批判をしています。日本外交の先頭に立ち、害務省の悪評をものともせず実践を重ねてきた氏の意見を、たくさん割愛しています。

 「ねこ庭」の紹介に満足されない方は、図書館で借りられることをお勧めします。長いブログとなりましたが、今回で終わりといたします。

コメント (2)
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『なぜ外務省はダメになったか 』- 7 ( ハンディキャップ国家論 )

2017-10-21 13:40:00 | 徒然の記

 明日は選挙の投票日です。希望の党が支持率を落とし、立憲民主党が野党第二党になりそうな勢いと聞きます。いつも通りの反日マスコミの宣伝に過ぎないなのに、踊らされる国民がまだいるのでしょうか。

 ここ数日村田氏の著作の紹介をしていますが、外務省の幹部が、反日左翼の朝日に同調している事実は、何としても発信したいテーマです。明日の投票に間に合わないとしても、明日の日本のためには小さな光を灯すことになると信じ、本日も氏の著作と向き合います。

 今日のテーマは、「ハンディキャップ国家論」です。

  昭和60年の衆議院委員会で、当時の社会党の土井氏の質問に答えたのは、小和田次官でした。雅子妃のご父君で、外務省内に隠然たる力を持っている人物です。

   氏が日本は過去の自分の行動のゆえに、国際社会の中では「ハンディキャップ国家」だと主張しているのは、よく知られています。国会での答弁は、この趣旨に沿ったもので、日本は中韓両国に永久に謝罪しつづけなければならない国、という意味に解釈されています。

 先日、ある人のブログを見て、意見に引かされました。 

 「すべての外務官僚が、こういう人ばかりではない。」「現実を変えようと戦った人もいる。」

 「元駐米大使の村田良平氏は、日本の自立自存を求めた理想主義者で、回想録の中で、アメリカが日本の核武装を認めないなら、在日米軍基地を全廃するべしと言っている。」

 紹介している本がそうなのかもしれませんが、偶然というのは面白いもので、こんなところで村田氏の名前を確認するとは、思いもよらないことでした。

   田久保・・

  ・湾岸戦争の二年後に小和田次官が、月刊誌の対談で東京芸大の平山郁夫氏に、これからの日本の行く道について、三つ述べています。
 
  1. 国際的関わりを捨て、清く貧しく美しく、極東の小さな島国として生きていく。 
 
  2. 欧米諸国のように、政治、経済、軍事のバランスある、普通の国となる。 
 
  3. 過去の行動を信条とし、国際社会のためであっても軍事行動には参加しない。そのかわり、金銭的支援で役割を果たす。 
 
   ・小和田氏が強調したのは、三番目の道です。
 
  ・いい意味でのハンディキャップ国家になるという、選択肢だとしていますが、自分が住んでいる国のことをハンディキャップ国家などと、そんな発言はとんでもないことだと思います。
 
  ・小和田氏の後で、事務次官・駐米大使をした斎藤邦彦さんが、日本プレスセンターで講演し、こう述べています。
 
   「小和田前次官が、無責任国家と普通の国とハンディキャツプ国家があると、言ったことがある。」
 
   「私はハンディキャップ国家が、日本の進むべき道であるとこう明言してるんです。」
 
 ・ロンドンから帰国した藤井宏明駐英大使は、日本シンポジュームの講演会で、こう述べています。
 
    「軍事力や関連技術を、みずから規制している日本は、自主自立の面でも、国際政治力の上でも、さらには国際貢献の分野でも、大きなハンデイキャップを負っており、その対価を他の手段で払う必要があることは、認識されるべきであろう。」
 
   古 森・・
 
 ・外務省の歴代次官では、まず栗山尚一氏の時の第一次PKO法案の挫折があります。
 
 ・栗山氏はPKO法案に、何が何でも反対というのでした。軍事力を持つ集団が、安全保障のため動くこと自体を嫌い、反対するという考え方です。」
 
 ・栗山氏は駐米大使時代、私の父親は外交官で日本の戦争に反対した、軍部に反対したと、折に触れて公言していました。
 
 ・それが栗山さんには勲章になっているのでしょうが、繰り返されると、それがどうしたの ? と、聞き返したくなりました。
 
 ・外務省には防衛や抑止を認めず、防衛とは何もしないのが安全というような、非武装主義というものがありますね。
 
 ・その実例が、フランス大使の小倉和夫氏が主張するアジア主義です。この主張は、日米安保に対する遠まわしの反対が特徴です。
 
 ・小倉氏はアジア外交で日本が第一になすべきことは、過去の反省であると言います。
 
 ・日米安保に代わるのは、アジアにおける地域安全保障だという論です。
 
 ・朝日新聞は二国間同盟でなく、多国間の地域安全保障で、防衛よりも対話で日本の安全を守ろうと、よく主張しています。
 
   田久保・・
 
 ・元インド大使の野田英二郎さんは、この人も特殊な人かもしれませんが、日米安保条約は、中国にとって大変な脅威になっている。
 
 ・これをやめないと、日本は中立な立場に身をおけないと明言していますが、これも変な話です。
 
 ・野田氏は、「新しい教科書をつくる会 」の教科書を、「教科書検定委員会の委員という立場から、他の委員に働きかけ、これを落とそうと工作しました。
 
 ・この人の言動が異常なのは仕方ないのだとしても、どうして今までの外務省の中で、このような異常が表面化してこなかったのか、不思議で仕方がないんです。
 
   村 田・・
 
 ・野田さんは、現役の時そういうことを言いもしなかったし、そういう考えだということを、私はまったく知りませんでした。
 
 ・教科書検定で、不合格工作をしたという報道に接した時も驚きました。
 
 ・野田さんは香港勤務はしていますが、中国勤務もしていないし、チャイナスクールでもない。日米安保体制が要らないと考えているとは、知りませんでした。
 
 
 反日左翼というか、朝日新聞の思想に染まったというのか、愚かな外務省の幹部が、依然として大きな勢力であることがよく分かりました。対談はまだ続き、知らない事実が語られていますが、この辺りでやめます。
 
 文科省と外務省の呆れるしかない実態に触れましたが、防衛省にも、財務省にも、あらゆる官庁に、赤い役人が棲息しているのと聞きます。
 
 「腐れマスコミに独裁者と言われた安倍総理が、実は孤立無縁の中で奮闘していた事実が分かった。」

 「皇室護持と憲法改正の旗を下ろさない安倍総理を支援する」

だから「ねこ庭」では壊れたレコードのように、同じ言葉を何度でも繰り返します。

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