ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

自民党議員の演説会 ( 秋本真利 衆議院議員 )

2017-10-14 08:15:16 | 徒然の記

 生まれて初めて、選挙の演説会に出席しました。もちろん自民党議員の、演説会です。応援の弁士が、河野太郎氏でした。

 ブログであれこれ政治問題を述べていますが、実際の演説会場には行ったことがありません。たまたま自治会の知人に声をかけられ、義理で参加したというのが、本音のところです。しかし、勉強になりました。一人の候補者のため、どれだけの人間がかかわっているのか、実際にこの目で見ましたから。

 会場を飾りつけ、椅子を並べたり横断幕やのぼり旗を飾ったり、互いに支部長とか、会長とか呼び合っていましたので、後援会のメンバーだったのでしょうか、男女合わせて50人はいました。揃いの派手なユニフームを着て、受付や案内や場内整理を分担し、全員が慌ただしそうでした。

 どうしてこんなに詳しいかと言いますと、野次馬根性で調べたのでなく、時間を間違ったため、とんでもない時刻に到着したからです。5時から開演と聞き、本でも読みながら待とうと、一時間前の4時に行きました。ところが実際には6時からの始まりでしたため、2時間の待ち時間となってしまいました。

 会場は市民センター内の講堂ですから、周囲に沢山椅子があり、明るく快適なので、持って来た本を読みながら待ちました。お陰で見るともなく辺りを眺め、会場作りの観察がのんびりとできました。時間になり受付で、名前と住所、電話番号を書かされました。

 「すごい本ですね。」

  記入するため手にしていた本を受付台に置いたのが、目に留まったのです。受付の女性に言われ、あわてて弁解しました。

「図書館でもらった本を、偶然持って来たんです。」

「へえ、図書館がこんな本をくれるんですか。」

 持っていた本は、村田良平氏著の『なぜ日本外交はダメになったのか。』・・。河野外務大臣が応援弁士だからと、当てつけで読んでいたのでなく、全くの偶然でした。

 演題に立候補した秋本真利議員が上り、演説が始まりましたが、さっそく失望しました。

 「今回の選挙は、一部では自民党が有利と報道されていますが、厳しい戦いです。」

 「自民党と公明党は力を合わせ、日本経済の再生と、政治の安定を作ってまいりました。」

 「政権を任せるのに、相応しい政党がどこなのか。」「皆様には、これまでの実績をお考えいただき、私秋本真利をなにとぞよろしくお願いいたします。」

 「そして比例区には、是非とも公明党と書いてください。」

 もともと私は自分の区の自民党議員には、あまり期待をしていませんでした。若くて元気ですが、氏の主張が私の心を動かしません。地元の活性化のため、幹線道路を整備するとか、観光に力を入れ外国人がどんどん来るようにしたいとか、昔ながらの利益誘導の自民党路線です。

 少子高齢化社会に向け、若者が未来に希望を持てる日本にすることも、確かに大切なことですが、いったい「憲法」はどこへ行ったのか。結局一言も喋りませんでした。

 地元への利益誘導の方が、憲法や外交問題より票につながるのでしょうが、若い自民党の議員がこれでいいのかと、残念でなりませんでした。有権者は地元につながる利益にしか興味がないと、考えた上での話だとしますと、私が思っている以上に千葉県民の意識は低いのかもしれません。

 選挙のためとはいえ、比例を公明党になど、とてもそのような気持ちになりません。憲法改正に曖昧な態度を示し、安保法案にも渋々の同意しかしない公明党は、「下駄の歯についた雪」に似た、邪魔な存在でしかありません。

 応援弁士の河野太郎氏の話は、興味深く聞きました。

 内容はすでにブログで知っていましたが、氏自身の言葉で聞かされますと、臨場感がありました。立候補者の秋本氏と異なり、河野氏は最初から最後まで、安保関連法と秘密保護法の重要性について話ました。

 北朝鮮の脅威にからめ、これらの法の整備が、どれだけ日本の危機を救っていくかということを、平易な言葉で説明しました。

 「こんな重要な法案を、野党の議員たちは、戦争法などと言って反対しました。」

 「あんなに大騒ぎして反対したのに、どうですか。」「その議員が、希望の党の推薦を受けたら、一夜で賛成に変わりました。」

 「政治家というのは、信念を持って政治をするのです。党が変われば、信念も変わるというような政治家を誰が信用しますか。」

 河野氏も最後には自民党の議員らしく、他党の批判をし、自分の党の自慢をしていましたが、聴衆の拍手は立候補した前議員へのそれより大きいものでした。動画では、部分的な言葉が伝えられるだけですが、こうして実際に聞きますと、感慨深いものがありました。

 中国や韓国と妥協せず、遠慮なく意見を述べている大臣の言動を知っているだけに、頼もしい気がしました。

 しかし、これが自民党の立候補者の演説会だと思いますと、やはり失望感が募ります。戦争反対、平和第一、人権尊重と、反日マスコミの威力を恐れたのか、基地挑戦の脅威を語っても、「憲法改正」を語れない外務大臣と候補者に、不満が残りました。

 千葉の選挙区だけではありません。総理の選挙応援演説を聞きましても、「憲法改正」は正面から言及されていませんでした。

 色々な公約を述べた中で、それとなく日本の安全保障問題が語られ、憲法がそっと顔を出す・・そんな具合でした。

 「ねこ庭」では威勢良くマスコミを批判し、反日の野党を攻撃し、明日にでも「憲法改正」が出来るようなブログを書いていますが、現実はこうだったのです。

 自民党に勇気が足りないのか、日本に広がる「お花畑」が考えている以上に広大なのか。今度の選挙でこれを確認したいと思います。演説会場を出るとき、参加者に頭を下げている後援会の男性に、私はそっと言いました。

 「自民党の選挙なんですから、せめて演壇の後ろに、国旗くらい飾って欲しかったですね。」

コメント (8)
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