チャイナスクールという言葉をよく耳にしますが、本日はその正しい意味を、元外務省トップだった村田氏と、他の二人に語ってもらいます。
〈 3. チャイナスクール 〉
村 田
・外務省には、チャイナスクールというものがあります。そもそもは、外務省の中で、中国語を第一外国語とする人々のことを指しました。それ以上の意味は、特別になかったのです。
・チャイナスクールの中には、中国に心情的な思い入れをもつ人もいますし、若くして外交官としてスタートした以上、将来は北京で大使をやりたいというよな、私的な動機をもつ人もいます。
・外交官である以上、そういう思いは自然なことです。
・たまたま中国の場合は、大使ポストが一つしかありません。これはロシアも同様です。
・地方の総領事館の中で、香港は別格ですが、キャリアでないチャイナスクールの人々の最終ポストは、香港以外の総領事にするという習慣が、いつの間にかできてしまいました。
・そうすると、キャリアの人が目指すのは北京だけです。
・だから大使になりたいという私情と、中国は重要だという認識が一つになって、短絡的に中国へのサポートに傾斜してしまった人が、いなかったとは断言できないでしょう。
田久保・・
・今までの対中ODAで、チャイナスクールが少なからぬ発言力を持っていたところに、問題を孕ませる根元があったのではないでしょうか。
・理屈としては、「ODA大綱 」を早急に見直す必要があります。
・チャイナスクールの面々がこれを妨害したり、あるいはメンバーを利用して、中国側が対日工作をしたりすると、また変な問題が出てきます。
古 森・・
・チャイナスクールの彼らにとっては、中国との折衝がライフワークです。
・となると中国から嫌われたり、煙たがられたりすると、仕返しを受けるかもしれないという、懸念が生まれます。
・いつも同じ相手が出てくるのですから、個人レベルで不快感があると、仕事が非常にしにくくなる。
・更にはキャリアであれば、中国大使や、それに近い中国関連のポストに、就けなくなるかもしれないという懸念が生まれるわけです。
・今の阿南惟茂大使と、北京政府の相手方である王毅・外務次官という二人の組み合わせは、これまで長年にわたり、様々な局面で同じでした。
・阿南氏が本省時代、王毅氏は在日中国大使館勤務だったし、阿南氏が北京で公使や参事官だった時、王氏は本省勤務で、同じようなレベルでの対応相手でした。
・逆から見れば中国側のジャパンスクールは、日本側のチャイナスクールより、さらに専門化され、硬直した人事システムの中を歩んでいます。
・そのジャパンスクールの親玉が、外相の唐家璇氏です。だから中国外交部は、対日関係のポイントをすべて押さえて、よく把握し、日本の弱点もよく掴んでいると言えます。
我慢して対談の紹介をしてきましたが、ブログを訪問して来られる方々と、息子たちに伝えたくなりました。
・外務省のチャイナスクールの役人がやっていることと、中国外交部のジャパンスクールの役人がやっていることを比較し、次の事実を知ってほしいと思います。
・日本の外務省の役人は、中国を第一に考え気遣いをし、遠慮し、相手の機嫌を伺い、日本のために働いていません。
・中国の役人は、自国を第一と考え、日本には遠慮せず平気で怒らせることを言い、自国のために働いています。
3氏の説明が正しいとすれば、日本の議員の70% が親中・媚中派で占められ、現地の外交官がチャイナスクールのメンバーです。日本の対中外交政策は、「中国服従」以外に無いに等しいことになります。
王毅外相は学生時代日本に留学し日本を知っているはずなのに、わが国を悪しざまに言います。「日中国交正常化45周年」の時、記者の質問に対し次のように語っていました。
・今年はたしかに、「中日国交正常化45周年記念」だが、同時に 「 盧溝橋事件 ・ 80周年」の年でもある。
・一つは平和への道であり、もう一つは戦争と対抗への道だ。80年前、日本は中国を侵略し、中国やアジア各国の人民に甚大な災難をもたらし、最終的に日本自身が、失敗の深淵への道をたどることとなった。
・45年前に日本の指導者は日中国交正常化をして、歴史を反省したはずだが、しかし今日に至るもなお、日本には歴史の逆行をもくろむ者がいる。
・われわれは日本との関係を改善したいが、そのためには日本がまず 「 心の病 」を、治さなければならない。そして中国が絶え間なく発展振興している事実を、理性的に受け入れなければならない。
聞くに耐えない傲慢な意見ですが、これが日本のチャイナスクールの外交官たちが作った外交実績です。無礼な王毅外相と長年の親交があったという阿南大使は、これまで何をしていたのでしょう。王毅氏と中国政府に、忠誠を尽くしてきた氏の姿が見えます。
駐日大使館のトップにいる阿南氏がこれですから、配下の外交官は推して知るべしです。瀋陽の総領事館の外交官が、中国の武装警官に迎合して何の不思議もありません。
チャイナスクールの者たちが中国第一と勤務し、日本の国益が損なわれのですから、国民から「害務省」と呼ばれても当然です。田久保氏と古森氏が、中国在中のチャイナスクールの外交官の不勉強と、見当違いの歴史観を指摘しています。
古森氏の意見を、紹介します。
・私が驚いたのは、チャイナスクールのリーダーである官僚の一人の言葉でした。
「中国への侵略について、日本は反省していない。十分に謝っていない。」
というのです。その理由として、彼があげたのは、
1. 天皇制が続き、天皇の戦争責任が問われないままになっている。
2. 冷戦終結後米国の政策が変わり、日本の戦争中の悪業を追求しなくなった。
・これは、朝日新聞の主張そのものです。こういうことを、外務省の局長クラスが言うんです。これにはびっくりしました。つい数ヶ月前の話ですが。
文科省の前川氏と同様、外務省の幹部も反日左翼思想に汚染されています。事実を知るほど、安倍総理の孤独な戦いを実感します。議員も官僚もマスコミも経済界も、中国一辺倒の中で、「70年談話」を出しました。
当時は、明確さが足りないと不満でしたが、事情を知りますと総理への同情が生まれます。配慮の足りない昭恵夫人のことがありますが、橋本元総理の大問題を知れば、問題が小さくなります。
橋本氏は、女性が中国の諜報員だったと見抜けないまま、愛人関係を続けていたのです。女性を通じて、国家機密が漏れた可能性があります。
二日後の選挙で私は自民党に投票し、安倍総理を応援します。不毛の選択であっても、今の日本ではこれ以外の選択はありません。