写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

定年準備

2006年06月21日 | 木工・細工・DIY
 「お早うございます」男1人・女2人の3人連れが、約束時間の10時に笑顔で我が家にやってきた。

 パラソルの下、裏庭のテーブルの周りに座ってもらった。それを待っていた妻が、アイスコーヒーを出してくれる。

 数日前の夜のことだった。ある会ではじめて話を交わした婦人が、知り合いを連れて訪ねたいと電話をしてきた。

 その男は、来年定年を迎えるという。退職後は岡山県の田舎に帰る。その後、何をして過ごすのかを考えているが、木工をやってみたいらしい。

 私が木工を趣味としていることを聞きつけて、作業小屋・機械・道具・作品の見学に来たものであった。

 工房「木馬」主宰、と私は自分の名刺に大きく書いている。早速その名刺を取り出して渡した。

 木工の話となると、話はなかなか止まらない。手元にある作品をお見せした。手元にないものは写真で説明する。

 インターネット・オークションで、120点ばかりを売り上げた実績で驚いてもらった。「ただし、時給に換算すると、30円くらいですよ」に大笑い。

 とにかく、あるものを考え、デザインし、設計をし、材料をみつくろって調達し、工作することが楽しいことをお話した。

 その男も、今何がしかの物を作って遊んでいるが、定年を機会に、本格的にやってみたいと話す。

 あり余る時間を、何をして過ごせばいいのか。定年退職の前、私もしばらく考えていたが、その時に答えは出せなかった。

 実際、退職をしてから、孫の誕生をきっかけに木工の道に入っていった。今ではブログ・エッセイサロンの方へと大分重心が移っている。

 しかし、先日は久しぶりに、ガーデンチェアーを2脚と製本機を作ってみた。エッセイ・木工共にもの作りであることは共通だ。

 エッセイは頭だけ、木工は頭と身体を使っての創作活動だ。退職しても、心身両面を駆使する趣味があれば言うことはない。

 単純作業でもしないよりはいいが、やはり考える・創作する要素を持った趣味が見つけられればベストだ。

 私のやっていることを紹介したが、少しでも参考になればうれしい。「あっ、もうこんな時間!」。木工で作った柱時計が丁度12時を指していた。

 とても短く感じる2時間の交流、次回は「バーベキュウの会ですね」と言って別れた。帰っていく定年族に思わず「Good Luck!」。
  (写真は、工房「木馬」の焼印?、予算の都合でゴム印)