写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

あきらめ

2006年06月04日 | 生活・ニュース
 5月の初め、毎日新聞の西部本社版「女の気持ち・男の気持ち」という600字のエッセイ欄に、電子メールで投稿していた。

 「男の気持ち」は週に1回、日曜日だけ掲載され、残り6日間は「女の気持ち」という題で、女性が投稿したものが掲載される。

 今年の初めに掲載されて以来、何度か出してみたが、なかなか掲載されるまでには至らなかった。

 考えてみると、そんなことは容易に理解できる。西部本社版といえば、九州全域と山口・島根の両県を包含している。

 しかも「男の気持ち」は、1年間に50回しか掲載されない。そのような欄に何度も出るのは難しいことはよく分かる。

 そうは言いながらも、数ヶ月ぶりに投稿したあとの毎週日曜日の朝、あれでもと思いながら、パジャマ姿のままで外の新聞受けにいそいそと取りに出ていた。

 しかし、投稿した週も、次の週も、またその次の週も掲載されることはなかった。そんなことで1ヶ月が経とうとしていた。

 6月に入っての初めての日曜日の今朝、投稿していたことさえ、もう忘れかけているまま、新聞をめくっていた。

 「男の気持ち」の欄に目をやった。おっ、私の名前が載っている。すでに、あきらめていた頃に出てきたというのが、今の私の気持ちである。

 こちらが燃えている時には見向きもしてくれず、少し冷めてきた頃に燃え始めてきた恋人に出会ったような感じで読んでみた。

 いくつかの冗長な表現個所に手が加えられていた。さすがにプロの目は鋭い。おかげで私が書いた原文が、もうひとつスマートになっていた。

 こんなことをしていると、家にいながらにしてプロの指導を受けていることになる。良い勉強になる。ありがたく嬉しい。

 秋になったらまた挑戦してみたいが、当面のお楽しみといえば、後日送られてくる原稿料の郵便為替の到着だ。これでまたしばらく食っていけそうだ。
(写真は、新聞掲載された「妙な気遣い」:当ブログ2006.5.7アップ)