写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

保守点検

2006年06月09日 | 生活・ニュース
 扉が開いたままエレベーターが動き出し、高校生が挟まれて死亡するという痛ましい事故が起きた。

 警視庁は、設計製作・保守点検の両面から捜査を進めている。最近、飛行機・自動車・自動扉・灯油ストーブなど、機械にかかる事故が何度かあった。

 どんな機械でも、設計製作・使い方は正しくても、長い間使っていると部品の磨耗・疲労・腐食・ゆるみなどで、機能が低下したり不調となったりすることがある。

 それを防止するために、適切な保守点検は欠かせない。経年劣化する部品を定期的に点検し、まだ使用に耐えるか・補修すれば使えるか・交換しなければいけないかを判断し処置をする。

 保守点検については大切なことがある。やり方・基準をきちんと決めておくことと、やる人への技能教育である。

 これらすべてが機能して初めて、機械は所期の性能を発揮してくれる。ところが、この保守点検がいい加減なため、結果として重大事故を起こしてしまう。

 1週間前のことだった。家の前の空地に自転車が1台止めてあった。3日たっても置いたままになっていた。

 放置自転車だと思い、近づいてみた。住所・氏名・電話番号まで書いてある。その家に電話をしてみて、盗まれたものだと分かった。

 後輪がパンクしている。そればかりか、ブレーキが前後とも甘くて利かない。乗り逃げしたやつも、怪我をしたので放置したのかもしれない。
 
 とにかく身近な自転車を初めとして、機械を安全に使っていくためには、適切な保守点検は欠かせない。

 保守点検といえば、機械だけに対する言葉ではない。何よりも大切な対象は、ひとりひとりの身体だ。

 設計製造は親がしてくれて、まずは動き始めた。以来かなり使い込んできた。異常に気がつけば放置せず、歳相応の状態を維持できるよう、保守点検は確実にやっていきたい。

 放置することは医療保険のアップにもつながり、エレベーター事故と同じくこれもまた反社会的なことといえるから。
  (写真は、点検を欠かせない「自転車前輪ブレーキ」)