写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

ガーデン・チェアー

2006年06月01日 | 木工・細工・DIY
 木工で作った庭のテーブルに、アルミの骨にキャンバスを巻いた市販の椅子を置いている。

 雨ざらしのまま、もう3年も使っただろうか。キャンバスが傷みみすぼらしい姿になっている。新しいものに買い換えることを考えていた。

 先日、友人の家に行ったとき、バラ園の真ん中に、木工製品のテーブルセットが置いてあった。庭にはやはり木工品がよく似合う。

 わが庭も、木工の椅子を置くことに決めた。数日間、本を参考にしてデザインを考えた。昨日やっと形を決め、2*4の材料を買い求めた。

 今日、今年になって始めて工房に入った。誰にも見せられないような散らかった部屋に座り、寸法取りをする。

 電動のこで切っていると、プンと木のにおいがする。このにおいが快い。組み立ては庭に出て、長いビスで締めていった。

 4時間後、材料費わずか1200円で、重量感のある肘掛け椅子が完成した。日の照る間に防腐剤を塗リ、すべての作業を終えた。

 夕方、初めて座ってみた。なかなか良い。難を言えば、もう少し座面に奥行きがあるほうが良かったように感じる。
 
 座面の高さ・奥行き、肘掛の高さ・幅、背当ての高さ・角度、これらのバランスが少しでもおかしいと座り心地は不満足なものになる。

 2本足のもの?でさえ、ものによっては付き合っていくのになかなか骨が折れるものがあるが、4本足ともなると、さらに難しい。

 後日作る予定の2脚目は、この反省を踏まえてさらに良いものを作りたいと思うが、椅子というものはなかなか奥が深い代物だということがよく分かった。

 出来上がった椅子は口答えこそしないが、不満は確実にフカイな態度で示してくれる。私に似て正直なやつだ。
   (写真は、久しぶりの手作り「木工椅子」)