のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

思ひあまりそなたの空をながむれば霞をわけて春雨ぞふる(藤原俊成)

2008年04月07日 | 春の梨畑
「新高」に遅れること三日で「豊水」が花を咲かせ始めました。
時間差がちょっと短いでしょうか。

寒い冬のあと急に暖かくなったものですから、
ナシの開花も品種間の時間差がないかもと
ある程度予想していました。

しかし、ソメイヨシノが思いのほか長期間、
花見が楽しめたことからわかるように
やはり順調に暖かくはならないようです。

そして、雷雨のような春雨と呼べない今日の雨です。
明日も大雨の予報です。
週の後半でもまた雨のようです。

花が咲いても交配がうまくいかない年かもしれません。


春土に萌え出て紅き百合若芽すこやかにして子はここにあり(太田水穂)

2008年04月06日 | わが家の時時
納得米プロジェクトの作業日でした。
今日は育苗用プールの準備、ベッドづくり。

水を溜めるプールです。
ベッドの均平をとるのが最難関の課題。
同じ場所にプールをつくるのですが、普段は野菜畑。
ベッドづくりはいつもゼロからの出発です。

毎年、いろいろな方法を試みるのですが、
なかなか決定的な方法を見出せないままです。

トラクターの水平装置を利用して
アタッチメントのカルチウイーダーでもって表土を削ったあと、
コンパネを引いた上をバックホーであるいて固めてみました。

今年は小さなお手伝いもがんばってくれたのですが、
簡単に均平をとれる方法はないですかねえ。

山ざくら霞の間よりほのかにも見てし人こそ恋しかりけれ(紀貫之)

2008年04月05日 | 春の梨畑
この週末もまだ桜の花はしっかりと枝にあります。
花見もこれが見納めということか、
近くの公園には多くの人が出ていました。

定点観測している豊水の蕾もいよいよあと数日で開きそうです。
豊水の花芽をみると大きく二つに分かれています。
左側の小さな葉がついた方が「小花」といって実をつけない花。

本来ならそんな花を摘む摘蕾作業をしなければならないのですが、
剪定作業が遅れた付けがまわって今日は
ナシの作業の前に田んぼ仕事。

今年も花見なぞできぬまま農繁期に突入です。

寂しさに加茂の河原をさまよいて蓬を踏めば君が香ぞする(吉井勇)

2008年04月04日 | 農のあれこれ
二十四節気「清明」にふさわしい春本番の一日でした。

雑誌『現代農業』最新号(05年5月号)の特集は「ヨモギとスギナ」。
(書店店頭に並ぶのは10日ごろ?)
刈られても踏まれてもどこにでもあってやっかいな草。
そんな不屈の生命力を健康に植物活性剤に
使いこなしましょうという内容。

わが家の食品加工のメイン商品が草だんごなら
興味を持たないわけはありますまい。
餅やお茶に加工する記事も参考になりますが、
「ヨモギを本気で栽培する」方法を紹介した記事は保存の価値有り。

自生の5倍も摘み取れるとか
施肥は有機肥料中心に4回もやるとか
二年収穫したら更新するとか

確かに更新しないと良い葉ができなくなるとは感じていたのですが、
それが二年とは思いもよりませんでした。
片手間でできるようなものでもないのですが、
余裕があるなら試みても面白い作物と思います。


実は、この最新号の中でわが家が取材されています。
中国からのナシの花粉が輸入されないという報道を受けて
緊急企画された記事です。
(輸入が再開されたといううわさもあるのですが、今日現在、未確認)

花粉を外国に頼ることと同様、
受粉作業を他人に頼らねばならないことも
経営の不安定要素が大きいと、
交配よりも摘蕾作業を重視しているという主張ですが、
交配を一生懸命している仲間たちから叱られそう。

でも、購入花粉に頼らず
自前で花粉を採取する技術(というほどのことでもないのですが)を
伝承していくことはナシ農家の技の一つといえないでしょうか。

古畳古女房も花咲けば(山口青邨)

2008年04月03日 | 春の梨畑
18℃にもなろうという暖かい気温に促され
「新高」が花を咲かせ始めました。

昨年は3月29日。一昨年は3月31日。その前年、05年は4月8日。

最近3カ年では一番遅くなっていますが、
以前と比べれば1週間から十日は早くなっています。
その分、遅霜被害のリスクが高まるわけで、
昨年、一昨年と組合員の中に被害が出ています。

今年もそれほど早く咲くことはないのですが。

春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つ娘子(むすめ)(大伴家持)

2008年04月02日 | わが家の時時
一年間のドイツでの農業研修を終え、
長男が先日帰ってきました。
しばらく親の農作業を手伝いながら
自分のできる仕事を模索していくことになります。
長女も新しい生活がはじまります。

若い門出と引き替わるかのように
祖父母が体のあちこちの不調を訴え、
現役を引退する時期を迎えつつあります。

後年、今年の春をわが家の新たなステージに入ったとして
思い出すかもしれません。

死も生も空みなかはる卯月哉(土芳)

2008年04月01日 | 春の梨畑
まだ旧暦の2月25日ですが、卯月というと夏。
今日は春ともいえない冷たい北風の一日でした。

定点観測している「豊水」の蕾。
それまで被っていたりん片がとれて蕾の姿がはっきりとしてきました。

他の品種をみてみると…

まだまだ蕾が固い「幸水」。

         

葉がひらいてきた「新興」

         

花が開く前にようやく剪定作業が終わりました。
こんなに遅くなったのは初めてです。
前の世代は働けなくなり、次の世代はまだ戦力にならず、
ちょうど世代交代の端境期。
家族経営農家の一番危なっかしい時期です。