のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

感動でき稼げてカッコイイ脳業

2010年08月02日 | 農のあれこれ
3K農業といえば「きつい・汚い・危険」が通り相場。
これからの農業ならぬ「脳業」は
「感動できる・稼げる・カッコイイ」の3Kなんだそうです。

耕作放棄地を活用して45ha以上に規模拡大、
小松菜の年間作付面積が120haの生産規模は全国一、
それを支えるスタッフは60代以上が中心の160人のパート・アルバイト、
さらに非農家出身の新規就農希望者を社員に採用して
明日の農業経営者として育成したい。

そんな農業生産法人「ナガホリ」に
市内の農業関係プロジェクトチームが視察するというので
同行させてもらいました。
当日はNHKの取材班も入っていて、
ヒアリングを受けた高齢のパートスタッフの皆さんは少々緊張気味。

それでも
「お休みは自由。好きな時間にきて、好きな時間に帰れる。
それでいて孫にお小遣いを上げられるような仕事をさせてもらっている」
と、現状を満足されている様子。

大面積の畑で大人数の収穫作業というと作業スケジュール調整が大変では
と社長のNさんに伺うと、すべて社員に管理を任せているとのこと。
経営者としては、パートスタッフの能率給の管理の方がたいへんといいます。

時給は作業能率と質から偏差値をだして決定。
新入りや年配者だから時給が低いということはなく、
しかも現金払い。
これが働きがいにつながっているのではと話していました。


場所は埼玉県上尾市。
首都圏のベッドタウンで大規模生産農業を実現する利点を
Nさんは3点上げています。
①定年退職者を雇うことにより労賃を安くできる
②農地、特に耕作放棄地が多く、地代も安くできる
③大消費地の市場への運搬費を安くできる

同じことを群馬県でやろうとすれば
運搬費は余計にかかるし、農地も余裕がないので地代は高くなる。
従業員に外国人研修生を雇おうものなら
現状の倍以上の人件費がかかる…

             

こんな合理的経営である一方で、
小松菜収穫専用の鎌を県内の鍛冶屋に製作させ、
各自、「マイ鎌」を持たせています。
柄の部分の色違いなどで判断しているようです。

             

上の写真はずらりと並んでいる鎌の研ぐ作業台。
作業のしやすさを考えて、社長自らが材料を購入するところから
自作したといいます。
もしかしたら、こういう心遣いが事業成功の秘訣かもしれません。

高齢な従業員のほとんどは非農家。
だから単純な農作業も興味持って取り組んでいるとか。
しかし、これからは後継者のいない農家が自分の農地を提供し、
労働力としても、体が動けなくなるまでの間、
従業員として働くなんていう事態も起こりうるのでは。

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