のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

広大な田野を讃えよ、されど狭き田野を耕せよ

2014年06月24日 | 農のあれこれ
里山資本主義のブームにでも乗ったのかと
そのタイトルに惹かれてたまたま手に取った
玉村豊男『里山ビジネス』2008、集英社新書448

森と人の境界線である里山ならではの
恵みとともにある仕事をやりながら
暮らしを成り立たせる
それが農業的な価値観にもとづく里山ビジネス
拡大せずに持続しながら
生活の質を上げることができる
愚直で偽りのない生活とともにある仕事なら
どんなにグローバル化しても
それに影響されることのない生活を
確立できると主張します

玉村さんは旅や料理についての
エッセーイストとして活躍したのちに
長野の里山に移住
趣味のガーデニングから個人でワイナリーを立ち上げ
レストランに大勢のお客を呼び込んでいるそうです

そこでしかできないもの
そこへいかなければ食べられないもの
同じものでもそこで食べるからこそ美味しいもの
を提供し、
料理とともにそこからの景観
特に夕景は自慢のひとつ

観光とは、風光を観ることの意
人と自然がたがいにかかわりあいながら
つくりだした景色を見る、ということ
特別な仕掛けはいらない
なにもなくとも嘘のない生活があればいいといいます

「農業は続けることに意味がある
その土地を絶えず耕して
そこから恵みを受けながら人も植物も生き続ける
ワイナリーを中心に地域の人が集い
遠方から人が訪ねて来
そこで作られたワインや野菜を媒介にして
人間の輪ができあがる
それが来訪者を癒し、地域の人々を力づけ
双方の生活の質を高める」
という記述には思わず付箋をつけました

タイトルの<広大な田野を讃えよ、されど狭き田野を耕せよ>
(ヴェルギリウス『農耕詩より』)は
玉村さんから教えていただきました

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