のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

正月の子供になりて見たき哉(一茶)

2007年01月10日 | わが家の時時
何ということもなく、正月が過ぎていきました。

明治生まれの曾祖母が子供の頃は、正月が来るのが待ち遠しくてならなかったと生前話していました。正月になれば、着るものも履物もみな新調され、ご馳走も食べられ、こんな嬉しいことはなかったといいます。

夕方のTVが、初売りで詰め放題、食べ放題、激安になった店舗の様子を紹介していました。見ていて、安いなあとは思いましたが、その現場におられず羨ましいとは思いませんでした。

今、バンド活動に熱を上げている長女に、今は聞きたい曲があったらネット配信ですぐに聞くことができるけど、それって楽しい?って聞いたことがあります。

あるアーチストのある楽曲が好きになると、ほかの曲も聞きたくなったり、それらの曲を手元に置きたくなるということ自体は、昔も今も変わらない欲求ではあると思います。かつてなら、小遣いを貯めてレコードやCDを少しずつ買い足していったものです。もし廃盤になっていたりすると、ラジオ局にリクエストしたり、FMのプログラムをエアーチェック(懐かしい!もう死語ですね)したり、なかなか大変でした。でもだからこそ、ライブラリー化された楽曲は物語のある宝物であり、友人たちに自慢したくなったものです。

ところが今は、あるアーチストのすべての楽曲をクリックひとつでリストアップでき、i・podに収めることができます。お金さえ許せば手に入るものにどれだけの価値があるのだろう。今の子供たちが大人になったときに「青春のヒットソング」のようなTV番組が成り立つのだろうかと、ふと考えてしまいました。

写真はなん変哲のないカマキリの卵です。でも、どうしてここに生み落とされたのかとか、春になって幼いカマキリたちにどんな運命が待ち構えているのか、とかを考えると、今の子供たちよりこの卵の方が、もしかするとわくわくする物語があるのかもしれません。